Peace
(画像=HPより)

リリース直後、瞬く間にiPhone、iPad用(iOS)の広告ブロックアプリとして人気を博し、App Storeの「有料アプリランキング」でナンバー1に輝いた「ピース」がわずか3日で販売中止になった。開発者マルコ・アーメント氏が自身のブログで明かした。「ピース」はユーザーがWeb観覧している間でも、広告やサイトトラッカーはもちろん、自動配信、コメント、特殊文字までブロックしてくれるものだ。

開発者「広告業界が苦しくなることに後ろめたさを感じた」

「広告業で生活を支えている人達が気の毒になったんだ。私が儲かれば儲かるぶん、生活が苦しくなる人達がいると後ろめたくなった」とアーメント氏は語る。

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(画像=HPよりマルコ・アーメント氏)

ピースは米サードパーティー、ゴーストリーによる特別なデータベースを使って、広告をブロックするため、ブロックする広告を選ぶなどの融通性に欠けていた。「私にとってもゴーストリーとっても、その点が不本意だった」と製品の完成度自体に不満があったことも認めた。

Twitter上では復活を願う声が続々

アーメント氏の心情を理解する声もあるが、Twitterには多くのユーザーから便利アプリの復活を願う投稿がよせられている。

「アーメント氏はアプリを廃止するのではなく、改善すべきだった」
「自分の気持ちに従うのが一番だと思う。でも次は事前によく考えてから発売して欲しいね」

こうしたユーザーからの批判的なコメントを尻目に、「非難を受けるのは覚悟のうえでの決断だった」と、当の本人は肩の荷をおろした様子だ。「良心の呵責と戦いながらピースを売り続けるより、次のステップに進むほうがずっと良い」

ピースに代わる広告ブロックアプリはほかにも登場へ

世界的な大ヒットが期待できたかもしれないアプリを早々と廃止した真相については、「アーメント氏が製品の宣伝のために契約している広告会社に、Twitter上で非難を受けたことが原因だろう」という憶測まで流れている。

アーメント氏は「広告ブロックアプリは必要だと思うけれど」と前置きしたうえで、今後リニューアルバージョンを開発する意思がないことを明確にしている。

ピースに代わるアップル用広告ブロックアプリとして、PurifyやCrystalを薦めているほか、アップルがiOS9の広告ブロッカーのリリースも予定している。既存のピースユーザーにアプリ代金(3ドル)は返金されるが、サービスは継続利用できる。

「3日天下ならぬ3日アプリ」だったピース。幻のアプリとして、ユーザーの間で語り継がれていくのかもしれない。 (ZUU online 編集部)