きょうの高慢な偏見:レアル反発は豪ドルの支えにならず
ドル/円は、昨日の下落の過程で下値の固さを確認した一方、イエレン議長発言でも年内利上げ開始が保障されている訳ではなく、引き続き120円を中心とした118-122円の方向感のないレンジ取引が続きそうだ。
なお、本邦ではコアCPI(除く生鮮)の発表が予定されており、前年比-0.1%とマイナス化が予想されており、本来であれば日銀のインフレ目標である2%からの更なる乖離とデフレリスクを想起させ、追加緩和期待が高まるはずだ。
もっとも、日銀は原油安の影響を回避するためかエネルギーを除くインフレ指標(例えばCPI除く食料・エネルギーやCPI除く生鮮食品・エネルギーなど)を重視し始めており、今回もコアコアCPI(除く食料・エネルギー)は前年比+0.6%から+0.7%へ加速する予想となっているなど、これが確認されれば物価が改善基調にあるとの判断を崩さない見込みで、日銀の追加緩和期待は目先高まりそうにない。
ユーロ/ドルは、ECB高官から追加緩和に慎重な発言が相次ぐ中で下落トレンド再開機運は一旦後退しており、1.12ドル丁度近辺をはさんだもみ合いとなりそうだ。
豪ドル/米ドルは、中国景気減速懸念とコモディティ安傾向が続く中で、年初来安値を試す展開が続きそうだ。
山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券
シニア・ストラテジスト