大富豪として知られる米投資家ウォーレン・バフェット氏。さぞかし豪勢な日常生活を送っているものと思いきや、意外なことに生活スタイルは大富豪になる以前とさほど変わっていないそうだ。

マックとコークが好き

1958年に3万 1500ドルで購入した自宅に現在も住み続け、40年間同じ会社に通い続ける。マクドナルドのハンバーガーとチェリーコークをこよなく愛し、テクノロジーや高級車には見向きもしない。バフェット氏の年棒は過去25年間一律の10万ドル。ジャンクフードを食べながらTVでスポーツ観戦をする生活スタイルには、十分過ぎる金額だろう。3万ドルの車で自らゲストを迎えに出向き、そのままマクドナルドに連れて行くこともあるという。携帯電話やコンピューターでさえ毛嫌いするバフェット氏にとって、物質的なぜいたく品は無用の長物でしかないようだ。

さらに意外な事に、バフェット氏は大のバーゲン好きでもある。自身の結婚式でさえ、オマハ州にある娘の自宅でわずか15分の式を挙げたのみだった。流行りのセレブとは程遠い質素婚だった。会社でも無駄な経費には目を光らせ、節約に励んでいるという。

こんな庶民的なバフェット氏を、世界一の大富豪に押し上げた要因は一体何なのだろう。

1日の8割は読書

「ルール1『損な投資はするな』」「ルール2『 ルール1を忘れるな』」という投資戦略通り、彼の生活スタイルもビジネススタイルもいたってシンプルだ。

前もってスケジュールを詰め込むのが嫌いなバフェット氏は、毎日の習慣に従って規則正しい生活を送っている。毎朝午前6時45分に起床後、大抵は自宅で新聞を読みながら、マーケットが開くのを待って出勤する。毎晩会社から持ち帰った書類に目を通し、「1日の80%は何かを読んでいて、残りは電話で喋っている」が、電話での会話は極力短めにすませるそうだ。

バフェット氏流の「賢いビジネスパーソンになるコツ」は、「毎日書類を500ページは読んで、知識を身につける事」であり、実際にパフェット氏自身、そうして豊富な知識を習得したという。ここで見落としてはいけないのは、パフェット氏は1日の大半を、ビジネスを成功させる上で最も重要なポイントに費やしているという点だ。

またバフェット氏は新聞や書籍を読む時間と決算書や書類に目を通す時間はキッパリと区別している。オフィスの窓を閉め切り、一切の騒音を遮断して、ひたすら自分が成すべき事にだけ神経を集中する。仕事中には仕事に集中し、プライベートとビジネスの時間をごちゃ交ぜにしないことで、仕事の能率が上がるというわけだ。