PERの求め方

まずは、「1株当たりの当期純利益(EPS)」を求める必要があります。当期純利益を1株ごとに分けるためには、当期純利益を発行済株式総数で割って求めます。

株価収益率 図1

「1株当たりの当期純利益(EPS)」を求めた次は、株価収益率(PER)を求めます。株価収益率(PER)は、株価を1株あたりの当期純利益(EPS)で割って求めます。

株価収益率 図2

投資指標を言葉で話しても計算式で表しても、投資指標の計算式を覚えるのは簡単なことではないと思います。沢山の方から、投資指標の計算式を覚えられないと耳にします。でも、ご安心ください。笑われてしまうかもしれませんが、実を言うと、私も、投資指標の計算式を殆ど覚えていません。

ここで、このコラムの題名を思い出してください。「イメージ図で理解すると投資指標って簡単!」でしたね。言葉や計算式を覚えることは、左脳の仕事です。では、イメージは?そうです。右脳の仕事です。ここで、私達を助けてくれるのは、右脳に焼き付ける「イメージ図」なのです。このイメージ図を、右脳で覚えてしまいましょう!しかも、イメージ図から、いくらでも計算式を作り出すことが出来るのです。


「1株当たり当期純利益(EPS)」と「株価収益率(PER)」のイメージ図

上記の計算式を、イメージ図に表したものです。ひとつずつ次の文章とイメージ図を対比させて読み進めてください。

「①当期純利益」を「②株式総数」で割ったものが、「③1株当たり当期純利益(EPS)」です。

「株価収益率(PER)」とは、「④株価」が「③1株当たり当期純利益(EPS)」の何倍あるかを示した指標です。

株価収益率 図3

例えば、「①当期純利益100,000円」「②株式総数1,000株」「④株価1,000円」の会社であるならば、

「①当期純利益100,000円」を「②株式総数1,000株」で割ったものが、「③1株当たり当期純利益(EPS)100円」です。

「④株価1,000円」は、「③1株当たり当期純利益(EPS)100円」の「10倍」であることから、株価収益率は10倍であることが分ります。

(計算式)
1株当たり当期純利益(EPS)=純利益100,000円÷発行株数1000株=100円

株価収益率(PER)=株価1,000円÷EPS100円=10倍

イメージ図を思い浮かべられるようになると、計算式をイメージ図から作り出すことが可能になり、更に、株式セミナーに参加した際、講師が投資指標を話すことがあれば、イメージ図がポンっと頭の中に浮かんでくるようになります。きっと、株式セミナーが楽しくなるでしょう。

計算式だけで覚えていると、「この指標は何だっけ……」と考えているうちに講師の話に置いてきぼりになり、何を話しているか分からなくなってしまい株式セミナーって難しいな……ということになってしまうのです。

次回は株価収益率(PER)を実際に見てみることにしましょう。今回は基礎編で、来月は実践編でお届け致します。

伊藤美恵(いとう・みえ)
ファイナンシャル・プランナー。AFP、その他FP資格、証券外務員一種資格、住宅ローンアドバイザー、DCマイスター。FPオフィスMie/代表 会社URL http://ameblo.jp/fp-mie/

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