(写真=PIXTA)
せっかく参加した株式セミナーで、聞いたことに対して理解出来ないと感じたことはありませんか? その原因のひとつが実は投資指標なのです。投資指標が理解出来るだけで難しいと感じるハードルはずっと低くなります。そこで、投資指標について学んでみましょう。今回は株価収益率(PER)を取り上げてみたいと思います。
投資指標とは?
株式投資は「成長株」と「割安株」を見つけて投資することが基本になります。まず、成長株かどうかについては、増収増益であるかどうかを確認する必要があります。増収増益については財務諸表で最低でも過去3年分の確認が必要です。
次に、割安株かどうかを確認するための代表的なものとして株価指標が挙げられます。株価指標は投資指標のひとつで、個別銘柄の株式を分析するためのものです。現在、株式が割安で買えるのか、買うには割高なのかを判断する手助けになります。
投資指標には、株価指標の他に配当関係の指標や経営効率を計る指標、財務の安定性を計る指標などがあります。まずは、株価指標の一つである「株価収益率(PER)」について学んでみましょう。
株価収益率(PER)とは?
株価収益率は株価収益倍率とも言われています。「倍率」という言葉で表されているとおり何倍かどうかを見るものです。Price EarningsRatioの略で「PER」とも言われています。
Priceは価格のことを言いますが、株式の世界では「株価」を意味します。EarningsのEarnは稼ぐことを言い、ここでは「収益」を指しています。Ratioは比率や率のことです。
株価収益率とは「株価」が「1株当たりの当期純利益」の何倍まで買われているかを見る指標です。指標は高いほど割高であり、低いほど割安とされています。株価そのものが「1株いくらであるか」という表示のため、もちろん「当期純利益も1株当たりいくらであるか」に直してあげないといけません。
したがって、株価収益率(PER)を求める前に「1株当たりの当期純利益」を求める必要があります。「1株あたり当期純利益」のことは、Earnings Per Shareの略で「EPS」とも言われています。もちろんEarnは収益のことで、ここでは当期純利益を指します。Perは「1個に付き・1つ毎に」等という意味があり、ここでは「1株ごと」という意味となります。Shareは、シェアする、分け合うという意味です。
1株あたりの当期純利益(EPS)は、「当期純利益を1株ごとに分ける」ことです。1株あたりの当期純利益(EPS)は、会社の収益力をはかる重要な指標であり、EPS指標が高いほど、その企業の収益力が高いことを示します。