年収よりも退職準備額に大きく影響したもの

ではなぜDC加入者と非加入者の間で退職準備額に差がつくのか。この問いについてはかつてから、「年収差が退職準備格差につながっているのではないか」との指摘がなされてきた。実際、DC加入者の平均年収は591万円で、非加入者より160万円ほど多い。

ところが今回の調査では、年収以上に退職準備額を左右する要素があることが判明した。

フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は今回、DCの加入、非加入を問わず、何が退職準備額に影響しているのかを調べた。「年齢」「職業」「居住地」などの設問項目と、退職準備額との相関係数を算出し、相関係数の高い16項目について退職準備額の重回帰分析を行ったのである。

この結果、最も退職準備額に影響するのは「退職後準備実施策」「投資の有無」なのどの資産運用度合いだったという。年齢や年収、DC加入状況といった現在の生活水準はその次だったのである。

確かにDC加入者は資産運用に積極的だ。アンケートによると、DC加入者の3分の1は退職後の資産形成のために「計画的貯蓄」や「積極的な資産運用」を行っていると回答したのに対し、非加入者ではその割合は2割程度にとどまった。「何もしていない」と答えた人の割合は非加入者のうち50.7%を占め(加入者は29.8%)、半数以上となっていた。

DC加入者の投資対象としては、日本株(約75%)日本株式投信(約25%)外国株投信(約20%)をはじめ、外貨預金、毎月分配型投信、日本債券などが見られた。

DCは投資なのか?

さらに年収別・年代別に退職準備金を比較してみると、年収700万円未満層の格差が大きく、700万円以上となると格差は少ないことがわかった。また、資産に占める退職準備額の割合や、年収に対する退職準備額の倍率を年代別に比較すると、20代など若年になるほど格差が大きかった。つまり、年収が低く、年齢が若いほどDC加入の効果は大きいということである。

ちなみに今回のアンケートでは「DCを投資に含めて考えているか」という質問もされている。結果は加入者と非加入者で大きく異なり、「投資と考えている」人はDC加入者が47.9%と半数近くとなったのに対し、非加入者は26.7%にとどまった。

DCを投資と考え、積極的に資産運用をするか否か。どうやらこのあたりが退職準備額を左右する要因となっているようだ。(ZUU online 編集部)

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