(写真=The 21 online)
「世界の動きを見る目」を投資を通じて手に入れよう!
「日銀による金融緩和で株価が上昇」、「デフレからインフレへと局面が変わった」。
それはわかっていても、具体的に何か行動を起こすわけでもなし、自分のお金はずっと銀行に寝かせたまま……。そんな人は多いのではないだろうか。
アベノミクスによって状況が変わった今、あるべきお金との付き合い方とはどういうものか?松本大氏にうかがった。
お金の流れは今までとは確実に変わった
お金の不安がまったくないというサラリーマンはほとんどいないだろう。老後の生活費や住宅ローン、子供の教育費など、不安は次々とのしかかってくる。なぜ私たちは、「お金」というと、こうしたネガティブなことを頭に浮かべてしまうのか。松本大氏は、「過去25年間続いたデフレが日本人の心理に与えた影響はやはり大きい」と話す。
「デフレとは、要するに、お金が増えないということ。その中で長く過ごしてきた人がお金にポジティブな考えを持ちにくいのは当然だろうと思います。しかし、日本経済がデフレ期からインフレ期に移ってきていることで、サラリーマンとお金との付き合い方に大きな変化が起こる可能性があることは意識しておくべきでしょう。
トマ・ピケティが『21世紀の資本』の中で『r(資本収益率)>g(経済成長率)』という式を唱えていますね。これが意味するのは、『国や企業の成長よりも、資本の成長が上回る』ということ。つまり、給料の伸びよりも、株や不動産などの資産が生み出す利益のほうが大きいということです。これは、インフレ期には、とくに顕著に現われます。これからは、株や不動産をはじめとするインフレ資産を持つほうがトクだと言えるでしょう。
何しろ、国がインフレ政策を取り、日銀が量的・質的金融緩和を推し進めているのですから、株価が上がるのは当たり前です。この変化に乗るか、それとも見過ごすかによって、個人のお金が増えるかどうかに大きな差がつくのです」