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(写真=ヨドバシカメラ)

ヨドバシカメラが好調だ。経常利益511億円、経常利益率7.8%とも言われ(6月24日付日経MJ推計値より)、これは家電量販店大手5社のうちで首位に位置する業績だ。


370万点の品揃え、都内注文から6時間で配送の「ヨドバシ・ドット・コム」

家電大型専門店の商品販売額(2015年7月)を見ると、4135億円で前年同月比7.8%増(出典:経済産業省『商業動態統計速報』)だが、家電市場は店舗数の過多、安売り競争の過熱で全体としては縮小傾向にあるとの見方が強い。

そうしたなかで、ヨドバシカメラが好調の波に乗る理由の1つにネット販売「ヨドバシ・ドット・コム」の充実ぶりがある。全品送料無料、都内(対象区域)では注文から最短6時間程度の配送を実現しており、家電に限らない商品の品揃えは370万点を超える。ネットで注文した商品の店舗受け取りも全店で対応し、秋葉原店などでは24時間受け取りを実施している。

EC各社が国内コンビ二店舗と商品受け取りで業務提携を強めたり、最大手の流通小売企業がグループ内で異業態間ECサービスの開始を発表したりするなど“オムニチャネル“の進展が注目を集めている。他方、ヨドバシカメラでは自社の売り場とネット店舗をそれぞれ充実させて、商品点数を増やしながら顧客を呼ぶ自家発電のような好循環が発生しているようにも見える。

EC企業や流通小売企業とは一味違う、家電量販店ヨドバシカメラが持つ顧客を惹き付ける魅力とは何か。ヨドバシカメラ副社長の藤沢和則氏に、店舗とネットの関係について考えをうかがった。


店内のスマホ撮影を解禁、価格比較を推奨

——2015年9月、ヨドバシカメラは店内の商品やディスプレーをスマートフォンで撮影することを解禁しました。無料インターネット接続サービス「ヨドバシフリーWi-Fi」を開始、スマホからSNSへ売り場の様子を投稿したり、商品に付いているバーコードを読み取って価格比較をしたりと、店舗を訪れた顧客が自由な行動をとりやすい環境を整えていますが、なぜこの取り組みを?

お客様に、店頭で便利にお買い物をしていただきたいということです。

商品のバーコード読み取りも無料Wi-Fi接続も、店舗での写真撮影もOKで、既に開始しています。お客様に、周りを気にしないで撮影していただければ。店員に「値段の比較をしていいですか』と尋ねるお客様もいます。これだけ便利なスマホがあれば、使ってみたいな、と思いますよね。

お客様にストレスなくスマートフォンを使って頂ける環境を作った方がよいのではないかと。商品を買う時にネットでレビューを見たり、価格を比較したり、在庫状況や商品説明を見たりしますよね。それらが店舗でできればいい、と思っています。