店内では無料でWi-Fiが使える(写真=ヨドバシカメラ)
高いと思ったら「高い」と店員に言ってほしい
——ショッピングアプリ「ヨドバシ」をダウンロードしていれば店舗ごとの価格や、在庫の取り寄せにかかる時間までが表示されますが、売り場でスマホを使って知りたい情報を調べてから、比較検討の後、他店に行く顧客もいるのではないでしょうか?
お客様は、高いと思えば他店で買われますし、むしろ店員をつかまえて「高いよ」と言っていただいたほうがよいのかなと思います。そして「また後で。検討します」と言っていただいたほうが、店員としても「説明の仕方が悪かったかな」と接客を振り返ることができます。あくまでも副次的な産物ですが、結果として、お客様から寄せられるご意見が今までよりも増えています。
いつもヨドバシで買うよう促す「囲い込み」は有り得ないと思います。お買い物の判断は、その時々によります。もし欲しい商品が欠品していたら「じゃあ他店で買おうか」となる。ですからお客様の選択肢の1つになり、選んでいただくことが大切です。そして「どうせ買うのならヨドバシで」と言っていただきたいですね。
家電やパソコンだけでなく書籍やカー用品など23種類を取り扱い
——「ヨドバシ・ドット・コム」の品揃えを大きく拡充させています。家電やパソコン、AV機器をはじめスポーツ用品やヘルス&ビューティー、書籍、バッグ、カー&バイク用品など、実に23カテゴリーにおよんでいますね。
社内でも議論がありました。検索した際、従来のヨドバシカメラの品揃えとは関係のない商品を検索する方が多かった。そこで「ありません』ではなく、買っていただけるようにした方がよいのではないかと。特に書籍とかコミック系が多くて、やってみたら結果的に評価していただけました。(自社のネット店舗で)お客様が探されているものを提供すればいい、というシンプルな発想です。お客様はネットで意外なものを探されていて、それを取り扱うと売れます。。
売り場でも、お客様からたずねられた商品がなければ「品揃えできないだろうか」と考えます。(商品カテゴリーの)ベースにあるのは、お客様の声。カテゴリーが増えているので「何でもあり」という姿勢に見えるかもしれませんが、そうではありません。