損失を想定内にとどめ、次のステップを狙う

大きな損失をかぶり、「もう金輪際、株式投資はしない」と考える投資家にとっては、持ち株をすべて売り払うことは正しい行動といえるだろう。しかし、損失が想定内にとどまり、次のステップにむけ待機している投資家にとって、「見切り千両」だからといって株をすべて売り払うのは違うと考える。

誰しも投資を始める時は、数多くある銘柄の中から、その銘柄が有望だと見込み、選択して買うものだ。委託保証金が簡単に消える信用取引の場合は別だが、現物株投資で失敗し、見切り売りを行う時には、損失の状況次第ではあるが、半分だけ売るとか、あるいは投資単位で1単位だけ残して売るとか、売り方を工夫しておくべきだ。投資家として、その銘柄が遠からず再浮上すると思うのであれば、半分だけ売り、時を経て再浮上し始めたところで、前よりも安い水準で株を買い増す「なんぴん買い」をすれば、再び勝負ができる。

また、1単位だけ残すというのは、期待をかけながら失敗に終わった投資の記念として持っておき、その企業への愛着を残しておくという意味でもある。

いずれの場合でも、売った分は短期投資の損と割り切り、持ち続ける分は長期投資と考えて塩漬けにしておく。持ち続けていれば、投資先の企業から長期投資家として感謝される。株主優待などでは長期投資家を優遇する制度を設けている企業も多いので、よく確認しておきたい。(ZUU online 編集部)