株式投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「見切り千両」とは、株式投資で大きな損を負わないためには早めに損切りをしておくべきだ、という意味の相場格言だ。

スーパーマーケットなどでは、古くなった生鮮食品や弁当を売り切るために値下げして売ることを「見切り売り」という。株式市場でも同様に、株価がもう回復しないと考えて損失覚悟で売ることを「見切り売り」と呼ぶ。素早い見切り売りは損失を限定的とするし、次の有望な投資先への投資につながるという意味で千両の価値がある、ということだ。


どこまで下落に耐えられるか自問自答する

ひと相場があった後の下落局面では、この「見切り千両」という言葉が特に重みを増す。下げ相場の途中では、信用取引の売り方の買い戻しやリバウンド狙いの買いが入り、損失額がいったん縮小するということがたびたび起きる。

しかし、こうした下値での買いが一巡すると、再び下げ始め、さらに損失が拡大する展開になることが多い。大きな火傷を負わないためには、投資で利益が出ている間にも、どこまでの下落であれば耐えられるかを常に自問自答しておくことが大切だ。

投資の初心者は、通常は株でもその他の金融商品でも、買うことから投資を始める。株を買うことだけなら資金さえ用意すれば誰でも簡単に始められるが、頃合いを見計らって売り、利益を出すということは案外難しいものである。「まだ値上がりするのではないか」と欲を出している間に、タイミングを逸するからだ。


売りは人マネできない芸術である

ある知り合いのベテラン証券マンは、「売りは芸術」という言葉をよく口にしていた。的確なタイミングで株を売り、利益を出し続けていくことは人マネできない芸術(アート)だ、という意味だ。芸術的な売り抜けができない普通の投資家にとっては、見切り売りが資産を大きく減らさないための防波堤となる。

投資した株の評価損益をみて、マイナスの表示が出ているのを見ることは、投資家にとって辛いことである。自らの判断ミスで、投資した資金の一部が別の誰かにかすめ取られたような気分になるからだ。理屈では理解できても、タイミング良く損切りをするのはなかなか難しい。しかし大切なことは、損失が一段と膨らまないように手をうつことにある。下げ相場では、持ち高を整理すれば損失は膨らまなくなるということを意識しておくべきだ。

以上が「見切り千両」という用語の説明となる。次に、見切り千両という言葉に基づいた現実的な投資について付け加えておきたい。