(写真=HPより)
英ダイソン創業者でチーフエンジニアのジェームス・ダイソン氏が、全固体リチウム電池開発企業のサクティ3を2015年10月に9000万ドル(約108億円)で買収し、今後大規模な電池工場を設立する計画を明らかにした。
現在ダイソンのコードレス掃除機に搭載されている電池寿命を改良するだけでなく、今後新たに開発する商品にも採用する予定だ。電池工場の設備投資にはおよそ10億ドルの費用をかけるが、工場建設候補地についてはサクティの本拠地であるアメリカをはじめ、現在検討中とのことだ。
ダイソン氏「全個体電池は液体電池と違って過熱しない」
サクティ3のアン・マリー・サストリーCEOは、今後ダイソンの幹部として引き続き電池事業を率いる。サストリー氏は米メディアに対し、「全固体リチウム電池を搭載することで、さらに速く効率的に利用できる商品ができるよう期待している」と述べた。ダイソンは、1〜2年以内には全固体リチウム電池技術を同社商品に導入する予定だ。
高性能バッテリー生産事業に参入することは、電池自動車生産事業が視野に入り、英国企業として今後はテスラモーターズ、パナソニック、そしてLG化学などと直接競合する可能性がある。
2014年にサストリー氏は「テスラモーターズの車に搭載されている電池よりおよそ2倍効率的な電池を目指す」としたが、サストリー氏とダイソン氏はともに「現時点ではまだコメントを発表できる段階ではない」と述べている。
ダイソン氏によると、全固体電池は液体電池と違って過熱することはなく、数分の充電で数時間持続し、電池寿命も長い。このサクティの全固体リチウム電池をダイソンが開発したデジタルモーターとも組み合わせられることも期待できる。 (ZUU online 編集部)