3つ目はペットボトル

最後に紹介するのが、ペットボトルに水を入れて測定する方法だ。この方法は荒っぽいが、実はこの荒っぽさが素人測定に適している。測定方法としては、ペットボトルに水を1/3程度入れて横向きに置いてみる。この方法だとわずかな傾きは分からないが、逆に大きな傾きであればはっきり分かることになる。

健康被害がある傾きは1/100程度以上の大きな傾きであるから、ペットボトルの水が明らかに傾いていれば、傾いている可能性は高いと言えるだろう。日本建築学会によれば、2~3°でめまい、頭痛、はきけ、食欲不振などの比較的重い症状が現れ、4~6°で強い牽引感、疲労感、睡眠障害が現れ、正常な環境でものが傾いて見えることがあるとしている。水平復元工事を行う目安としては1/100程度(約0.6°)となっている。

コンクリートクラックだけでは判断できない

また、今回多少話題になったのが、コンクリート壁のひび割れだ。コンクリートのひび割れがマンションの傾きによって生じたのではないかとの報道もあるようであるが、コンクリートのひび割れだけでは傾きは判断できない。コンクリートのひび割れはクラックと呼ばれ、コンクリート内部の水分が蒸発してしまうことで生じてしまう。これは鉄筋コンクリート造りの建物の宿命であり、コンクリートクラックを完全に無くすことは難しい。

コンクリートクラックの特徴としては、新築後の1~2年という比較的築浅の時に生じる傾向がある。工事中に内部に保っていた水分が1~2年目の間に抜けてしまい、クラックが入る。その後、徐々に水分蒸発が落ち着いた段階でクラックが生じ無くなってくる。そのため、コンクリートクラックがあるからマンションが傾いていると早合点するのは避けるべきだろう。

慎重に対応しよう

以上、マンションの傾きを確かめる3つの方法について紹介した。不安をあおられているため、「気のせい」ということもある。慎重に確認することをお勧めしたい。 (ZUU online 編集部)