ツーショット写真
(写真=PIXTA)

10~20代の若者の間で、彼や彼女との仲睦まじい様子の写真をSNSにアップすることが流行している。親、保護者のみならず中高年なら、「何のためにそんなことを?」「恥ずかしくないのか?」と思うかもしれない。一体、なぜ若い恋人たちが者はこうした行為をするのだろうか。

中には動画で生中継するカップルも

最近は2人専用のアルバムやカレンダーが共有できる「Couples(カップルズ)」や、専用のチャットルームや大切な日を教えてくれるカウントダウン機能が付いた「Between(ビトウィーン)」などのカップルアプリも人気を集めている。

たしかにこうしたカップルアプリは基本的にクローズド(非公開)の仕様のため、インターネットやFacebookなどに写真をアップするよりはプライバシーが守られるかもしれない。

しかし、誰でも見られるSNSなどに、プライベートな写真を上げることも珍しくなくなっているというから驚きなのだ。単に2人で撮った写真や他愛ないやり取りをアップすることもあるが、キスしている写真やベタベタしたやり取りを上げることも珍しくない。中にはその様子を動画で生中継する人たちもいると聞けば、もう驚くしかない。

プライベートな写真を人に見せる心理

彼、彼女との交際関係が終わってしまえば、2人の写真を公開していた事実を後悔するかもしれない。たとえクローズドな場に上げたつもりでも、別れた後に勝手に裸の写真を公開されるかもしれない。こうした「リベンジポルノ」は時々話題になるにも関わらず、プライベートな様子を公開するカップルは後を絶たない。

心理カウンセラーの藤田大介氏によると、不特定多数の人にプライベートを公開することには「承認欲求を満たしたい」という心理が表れているという。

藤田氏は「人間の根本的な部分には認めてほしいという欲求があります。自己を認めてもらうために、一般的には勉強やスポーツ、仕事に熱意を燃やしたり多くの人々と密な関係を築いたりするものですが、ゆとり世代以降はその傾向が薄い」と指摘する。

ゆとり世代以降は社会で競争する機会が少なく、またケータイやメールの普及によって対面のコミュニケーションに慣れていないことが多い。面と向かって批判されるなどのリスクは負いたくないが、承認欲求は満たしたいのが若い世代の特徴なのだろうか。

藤田氏は「アプリという身近な環境と、リアルでないインターネット上という適度な“距離感”が、手軽で気楽に承認欲求を満たす手段としてウケているのでは」と分析する。