韓国最大のモバイルアプリ・プロバイダー、カカオ・コーポレーションと通信企業KTコーポレーションの2社が、韓国初となるネット専業の銀行の設立許可を韓国金融委員会から与えられた。韓国では1992年の平和銀行以来、新銀行の誕生は23年ぶり。初の試みとなるネットバンクの設立について 任鍾龍(イム・ジョンリョン)金融委員長は 、「韓国の金融市場に健全な競争心を芽生えさせると同時に、金融業界の発展に役立つだろう」とコメントしている。

ファイナンス事業を開始しているカカオが一歩リード?

オンライン・ゲームサイト、ハンゲームの設立者として知られる韓国IT業界の大物、金範沫(キム・ボムス)氏が2010年に設立したカカオは、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」で大ブレイク。ユーザー数は全世界で1億5000万人を超えるという。

5月に大手韓国ポータルサイト・プロバイダー、ダウム・コミュニケーションとの経営統合を発表後、11月に16の銀行と提携してモバイル・ウォレット・サービスとP2P決済を開始。

今回の事業拡大にあたりeBayや韓国国民銀行などと提携し、オンライン小売業者、インターパーク率いるコンソーシアムを抑え、ネット・バンク事業開設の許可を勝ち取った。

高度なテクノロジーがウリのKT

入札形式で行われた設立許可の申請で勝利の女神が微笑んだもう1社は、同じく韓国最大手のKTだ。

中国の巨大組織アリババが運営するAlipay、友利銀行(Woori Bank)、韓国の保険会社、ハンファ生命などのサポートを受けての立ち上げとなる。

KTは昨年からNECとともに通信サービスの発展にむけたプロジェクトを組んでおり、現在5Gの共同開発を進めている。こうした高度なテクノロジー技術を金融事業に活かすことが期待されているだけに、どのようなネット・バンク・サービスが提供されるのか楽しみだ。(ZUU online 編集部)