◆戸建注文住宅取得層の年齢別、年収別構成

図表1-2-2は世帯主年齢5歳階級別の構成比を、2012、2013、2014年で比較したものである。調査年によって若干の違いがあるものの、累積度数を見れば分かるとおり、全体の構成はほとんど変わらない。30代の割合が最も高く、例年概ね40歳未満が取得層全体の半数を占めている。

また、40歳未満の平均世帯主年齢は、2012年が33.3歳、2013年が33.3歳、2014年が33.1歳とほとんど変化がない。(図表1-2-3)一方、平均世帯年収の推移をみると、2012年が707万円、2013年が716万円、2014年が755万円と増加しており、特に2014年は5.5ポイントもの増加である。(図表1-2-4)

そこで以降は、取得層の半数を占める40歳未満に着目して、この層の世帯年収が上昇した背景を中心に分析する。

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◆40歳未満において低年収層が減少、高年収層が増加

図表1-2-5は、全体と40歳未満の世帯年収別分布を2012~2014年で比較したものである。一見して40歳未満は、全体に比べ800万円未満の割合が高いことが分かる。また、2013年に対し2014年を比較すると、特に40歳未満において、800万円未満では2014年の割合が低く、反対に800万円以上では、1,400~1,600万円を除き、2014年の割合が高くなっている。

このように、40歳未満の世帯年収が増加したのは、高年収層の割合が高くなり、低年収層の割合が低くなったためであることがわかる。必ずしも若い取得層全体の世帯年収が上がったわけではないのである。ではなぜ2014年はこのような状況になったのか、次に取得費と取得資金に着目してその背景を探りたい。

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