ブランドのデジタルマーケティング
(写真=Thinkstock/Getty Images)

1856年に設立されたバーバリーは、トレンチコートの代名詞としてあまりにも有名な英国のブランドだ。この160年あまりの歴史を誇るバーバリーも、10年ほど前までは過去の栄光と資産を食い潰し続けていた。それを21世紀に相応しいラグジュアリー・ブランドとして再生したのが2006年に就任したアンジェラ・アーレンツCEOが推進したデジタルマーケティングだった。

これにより売上高は、2006~07年度の850万ポンドに対して、10~11年度には1501万ポンドと飛躍的に伸び、対前年比でも24%増という驚くべき成長を果たしている。落ちぶれた老舗ブランドがラグジュアリーブランドへと変身したバーバリーのケースは、デジタルマーケティングの最良の事例のひとつだ。アーレンツ氏は実績を買われ、2013年にAppleに転籍しリテール・オンライン担当副社長に就任している。


売り上げの6割を占める日本市場も再定義の対象に

以前のバーバリーは、歴史を頑なに守るコンサバティブなブランドの代表格だった。ブランドの再生にあたっては、アイコンであるトレンチコートとその誕生の地・ロンドンの文化やトレンドをブランドのコア価値に置き、それらを受け入れてもらうターゲットを他のラグジュアリーブランドよりも若い20代にまで引き下げた。一方でトレンチコートの生産をMade in Englandにこだわるとともに価格を上げ、ラグジュアリーブランドとしての打ち出しを強化した。

ブランドを再生させるために、バーバリーは世界各地で展開していたフランチャイズビジネスを次々と終了させている。

日本では40年以上続いた三陽商会とのフランチャイズ契約を解消し、すべてを直営に切り替えた。バーバリーの2013年のアニュアルレポートによれば、全世界のライセンス契約収入の1億900万ポンド(約185億円)のうち、60%以上を日本のライセンス販売が占めていた。ノウハウのある三陽商会との契約を解消すれば、これほどの大きな収入がどうなるか分からないにも関わらず、ロンドン本社による世界中での一貫・徹底したブランドコントロールを優先し、新たなラグジュアリーブランドとして再出発することを選んだということだ。