自宅売却,タイミング,東京オリンピック前後
(写真=PIXTA)

<質問>

神奈川県川崎市の一戸建て(ローンはすでに全額返済)に在住しています。場所は武蔵小杉周辺です。現在55歳で、定年後63歳までには新潟県魚沼市に移住しようと考えています。

5年後の2020年には東京オリンピックが開催予定ですが、このタイミングで売却すべきかもう少し待つべきか迷っております。アドバイスのほどよろしくお願いします。

<回答>


川崎市の今後の地価と人口動向予測

川崎市の地価は、住宅地で2014年が1.4%増加となっていますが、2015年は1.1%と上昇率はやや鈍化しています。また、人口は2030年までがピークを迎える時期であるといわれています。

こうした地価上昇・人口増加の傾向および東京からアクセス30分という立地を考えると、川崎市内の物件は、この先もまだ地価が上昇し、売却する際の買い手が出て来る可能性もあるかもしれません。さらに、お住まいの武蔵小杉は住みたい街ランキン5位になっており、開発が進み、新築の高層タワーマンションも建設されてきています。

ただし、どの地域でもそうですが、川崎市は生産人口より老年齢人口が増えている状況です。したがって、今後もこれから住宅を購入しようという30代から40代の人口が増え続けるかは定かではありません。また、30代から40代の層は新築マンションの購入を検討する可能性が高く、中古の一戸建ては購入対象ではなくなる可能性があります。


東京オリンピックの影響

東京オリンピックを2020年に控え、オリンピック会場となる予定の豊洲エリアは新築マンションを中心に、物件を購入しようという人が増えています。その影響で物件価格も上昇する傾向にあります。

ただし、オリンピック終了後は、この豊洲エリアの物件価格の上昇もひと段落してくるでしょう。よって、東京の物件の地価上昇はオリンピックまでがピークとなるでしょう。


定年後の移住先の生活プラン

定年後は年金生活となり資金の余裕はなくなってくるでしょう。年金の支給年齢も引き上がっており、定年退職してから年金が支給されるまでの資金を確保しておく必要もあります。現在、お住まいの武蔵小杉の物件の売却見込みの収入から、移住予定の新潟県魚沼市の物件を購入した場合の差額が3000万円程度になるような見込みが欲しいところです。

移住先では、できるだけ不動産を購入しておいてほうがよいでしょう。新潟県魚沼市を終いの住みかにするなら、関東と比較して 新潟の不動産の評価額は低くなるため、相続税の負担もなくなる可能性があります。また 移住先で賃貸に住めば資金も残せるでしょうが、高齢で賃貸物件に入居するのは今後難しくなるでしょう。

自宅の売却タイミングは生産人口が多い今のうちから検討されたほうがよいでしょう。ただし、今後の老後資金を考えると物件価格がピークとなる東京オリンピック前ぐらいがベストタイミングでしょう。定年後は早めに移住できるようにライフプランを練られるとよいでしょう。(提供: ライブリー 退職金と未来のお金 )

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