(写真=PIXTA)

いつも予約がいっぱいでチケットがなかなか入手できない「カシオペア」。JR東日本 <9020> とJR北海道は来年3月19日上野発、20日札幌発(青森発は21日)を最後に廃止することを明らかにした。今年6月、JR東日本 の冨田哲郎社長が廃止を示唆していた。

廃止の理由は車両の老朽化と安全性の問題とのことだが、実際には老朽化の問題よりも3月26日開業の北海道新幹線の影響があるようだ。

1999年に運行開始

カシオペアは上野−札幌を結ぶJR初の2階建の寝台客車。一般利用の寝台特急では唯一機関車牽引で運行している。カシオペアという名前は北斗七星と同様に北極星を見つけ出すために使われる星座「カシオペア」に由来した名前からつけられた。全客室が2名用A寝台個室で1999年7月16日から運行開始している。

定員は174人。寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両、客室はスイート、デラックス、ツインといった個室となっている。近年の乗車率は8割程度、現在でもカシオペアの予約状況は1か月先までは全室満室状態と人気の寝台特急となっている。

JR東日本の冨田氏の言葉にあった「老朽化」。カシオペアの運行開始は1999年(平成11年)だが、平成生まれは老朽化と言えるのだろうか。人気もありまだまだ十分走れる列車なのに……と惜しむ声も多い。

JR北海道は2016年3月26日に新青森−新函館北斗間を繋ぐ北海道新幹線の開業を発表した。北陸新幹線の開通に続いて、北海道初の新幹線となるため期待は高まっている。東京−新函館北斗間を最速4時間2分で結び、1日10往復のダイヤも発表された。その他、新青森まで1往復、盛岡まで1往復、仙台まで1往復の全部で13往復となる予定とのことだ。

車両は「H5系」、現在の東北新幹線「はやぶさ」のE5系とほぼ同じ車体のようだ。車体には北海道富良野でおなじみのラベンダーの色、紫色の横ラインが入るようだ。