チェックしておきたい5つのポイント

◆加齢臭・ミドル脂臭

40~50代に多い加齢臭、30代からのミドル脂臭の対処法は基本的に肥満対策と同じと覚えておくとよい。脂質の多い食品を控え、ビタミンC・Eを含む野菜・果物を積極的に摂ること。「草食系」を目指すのだ。また、メカブには強烈な消臭成分でもあるフコイダンが含まれているので、毎日食べれば1週間ほどで効果が期待できる。

◆口臭

最強の口臭対策は、唾液で口内を浄化すること。しっかり噛んで食べ、分泌を促そう。他人と会う前には、ミント味のタブレットよりも、唾液を誘う梅干しを。口臭を恐れて無口になるのも唾液不足につながるので、おしゃべり魔を目指そう。とくにパピプペポの発音は唾液腺の刺激になる。毎食後の歯磨き、週に1回ほどの「舌磨き」も忘れずに。

◆汗のにおい

汗をかくのは当然なので、におう「悪い汗」ではなく、におわない「良い汗」をかくことを目指そう。そのためには、半身浴で汗腺を鍛えること。野菜や海藻類などのアルカリ性食品も汗のにおいを抑えてくれる。また、かいた汗を拭くには、ハンカチよりも、固く絞った濡れタオルが効果的。食品用のジッパーつきビニール袋に入れて携帯しよう。

◆足のにおい

脚のつけ根にあるリンパを、仕事の合い間に数分間、リズミカルに叩こう。これだけで老廃物が排出され、足汗に含まれる「疲労臭」が軽減する。とはいえ、足からは1日にコップ1杯ぶんの汗が出ることには変わりないので、靴は最低3足をローテーションし、中2日は風通しの良いところで休ませよう。このとき、10円玉を靴の中に入れておくのもにおいを取るのに効果的だ。

◆頭のにおい

意外かもしれないが、毎日のシャンプーは逆効果。皮脂を落としすぎると頭皮を守る善玉菌の居場所がなくなり、悪臭の元となる悪玉菌が繁殖してしまう。お湯でしっかり流せば汚れや余分な皮脂は落とせるので、シャンプーを使うのは2~3日に1度で十分。塩を溶かしたお湯をかけて頭皮をもみ洗いする「塩洗髪」もお勧めだ。

五味常明(ごみ・つねあき)五味クリニック院長
1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部卒業後、昭和大学医学部に入学。昭和大学病院形成外科で形成外科学、多摩病院精神科で精神医学を学ぶ。外科での経験と、精神科で「自己臭妄想」の患者に接したことをきっかけに、患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を提唱し、体臭・わきが・多汗治療の現場で実践している。体臭研究における第一人者として治療と研究を行なう他、テレビやラジオ、雑誌などメディアでも活躍中。

《取材・構成:川端隆人》(『 The 21 online 』2015年12月号より)

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