(写真=PIXTA)
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景気ウォッチャー調査1

景気の現状判断DI:2ヵ月ぶりの改善も、5ヵ月連続で50を下回る

1月12日に内閣府から公表された15年12月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状判断DIは48.7と前月を2.6ポイント上回り、2ヵ月ぶりの改善となった。参考系列として公表されている季節調整値は50.5と、前月を0.4ポイント上回った。

景況感は夏場にかけて足踏みが続き、8月以降原数値が好不況の分かれ目である50を5ヵ月連続で下回るなど、依然停滞感が拭えない。12月調査では、パリのテロ事件を受け海外情勢への不透明感が高まっていることや中国の景気減速への懸念が景況感の重石となる一方で、年末年始の季節需要や訪日外国人旅行客による観光需要が改善要因となった。

また、前回調査で悪化した家計動向関連は、暖冬による冬物商材の不振が影響したものの、ボーナス・クリスマス商戦が下支えとなり景況感は幾分改善している。

コメントをみると、中国の景気減速・株安関連やテロ事件関連のものが多く、海外情勢への懸念が根強いことが窺える(最終頁の図参照)。引続きインバウンド需要への期待が高いものの、円安による物価上昇や海外情勢への懸念など不安材料が多いことが、景況感の停滞感を一段と強めている。