年度替わりの波乱に注意
日経平均は三連休前まで4日続落となった。但し、今月の初めに25日移動平均を上回って以降、下値は1万6000円台後半で比較的底堅く推移している。25日移動平均も上向きになっているので、サポートラインとして意識されるだろう(グラフ4)。
下げても25日線のある1万6000円台半ばまでだと思う。三連休明けの今日から権利付き最終日までちょうど5営業日。2000年以降の16年間で、権利付き最終日までの5日間のパフォーマンスをみると、13勝3敗、下げたのはわずかに3回で非常に堅調である(グラフ5)。
配当権利取りの買いや期末のドレッシング(お化粧買い)期待などを背景とする年度末特有の動きだ。
反対に年度替わりは冴えない。配当落ちがあるので下がって当然なのだが、配当落ち分以上に下がるケースがある。配当取りで買われた反動が出るのだ。去年も3月中旬から非常に強く推移してきたが、去年は権利付き最終日からすでに大きく下げに転じ年度内最後の4日間で500円も下げた(グラフ6)。
今年はマイナス金利の影響で利回りのあるものがなくなるなか、例年以上に配当が注目されているので、権利付き最終日前後の値動きが荒くなりやすい。配当は欲しい、しかし株価変動リスクは避けたいという投資家は権利だけ確定させたらヘッジに動くだろう。先物やオプション主導で下に振らされる展開に留意したい。
広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券
チーフ・ストラテジスト
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