チャンスをつかむための「二つの質問」

では実際に、副業の具体的ノウハウを説明しましょう。

私は「ひとりビジネス」の提唱者として、その成功のコツを「9マス」の図で表わしています。中心にあるテーマを取り囲む、8つの分野をそれぞれ充実させていけばいくほど成果は上がります(下図参照)。

ひとりビジネス8つの分野

最初に考えるのは、左下の「コンテンツ&商材」です。

商材は、「自分の好きなもの・こと」だけでなく、世の中にニーズがあるかどうかも考えて決めましょう。自分が好きで、かつニーズのある商品・サービスなら、楽しく安定性の高い仕事になります。

そうした商材を発見するコツは、周囲の人々に、次の2つの質問をすることです。

「今まで私にやってもらって、一番嬉しかった(良かった)ことは何?」

「その中で、お金を払ってでもやってほしいことは何?」

その答えの中に、自分でも気づかなかった「売り」を発見するヒントが隠れています。

ちなみに私の生徒の1人は、「話を聞いてもらったことが嬉しかった」と言われたことをきっかけに、「聞き師」という仕事を始めました。それまで相談をされることは多かったものの、まさかそれが仕事になるとは思ってもいなかった彼女。助言や協力はせず、ただ話を聞くだけという仕事ですが、カウンセラーの資格などはなくとも、顧客の満足度は非常に高く、大成功を収めています。

売るものが決まったら、価格設定にもひと工夫を。商品のラインナップを「松竹梅」に分け、集客のためのフロント低価格商品から、贅沢で高額なバックエンド商品までを揃えましょう。購入者は気軽に買った「梅」をきっかけに「竹」に興味を持ち、そこから「松」にも関心も抱きます。全員が「松」までいくわけではありませんが、そのモノやサービスを気に入った人はさらに上のものを求める傾向が顕著です。

なお、モノでもサービスでも安易に無料で提供してはいけません。そこだけ利用して、後は離れてしまう客を大勢呼び込んでしまうからです。よほどの資金力がないかぎり避けましょう。

何をどう売るかが決まったら、次は「ブランディング」です。第一歩は、副業の名前や自分の肩書を、シンプルな言葉で表現すること。先に述べた「聞き師」などは、非常に印象的ですよね。

「WEB戦略」も、ブランディングと深く関わります。ホームページなどは、目に留まる画像や、キャッチーなコピー、わかりやすい文章を意識しましょう。

とりわけ大事なのは、「ランディングページ」。飛行機の着陸(ランディング)のように、「購入」という行動に帰着してもらうためのページです。商品の魅力を謳うたい、興味を引き、要所要所に購入ボタンを用意します。ここでは、それ以外にクリックできるボタンを作らないことがコツ。このページを秀逸に作ることができれば、あくせく営業しなくとも、勝手に売上げは伸びます。

一方で、ネット外での「集客」活動も重要です。最も効率的なのは、紹介者を増やすこと。親しい友人に頼んで、さらにその友達に紹介してもらうのです。紹介者は顔の広い人、影響力の強い人ほどよいでしょう。口コミによる効果は非常に大きなものがあります。