欧州一のカード大国といわれる英国で、デビットカードの発行数がついに1億枚を突破した。成人の94%がデビットカードを所有しているという。

UKカード・アソシエーションの調査によると、コンタクトレス(非接触IC/NFC)決済とオンライン・ショッピングの需要が人気に拍車をかけ、今年4月の統計では過去1年間で発行数が2.7%増。取引総額は378億ポンド(約5兆1597億円/6.8%増)に達している。

「決済法がいかに消費意欲を左右するか」が、最も顕著に表れた例といえるだろう。

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今年3月の英国におけるリテール売上げは240億ポンド(約3兆2740億円)。そのうち77.5%がデビットカードを利用した決済だった。

英国で1987年に導入されたデビットカードは、それまで一般的に利用されていた現金や小切手に代わる「国民のお財布」として、瞬く間に幅広い層に普及した。対照的に入出金機能のみのATMカードの需要は急降下。小切手保証カードにいたっては2012年に廃止となった。

UKカード・アソシエーションのリチャード・コッホ室長は、消費者が好む決済法の移り変わりについて、オンライン・ショッピングが物理的リテールやサービスを上回る巨大産業に成長したこと、2007年に導入された非接触型を、一昨年になり各大手銀行が一斉に売りだしたことなどが大いに貢献している--と認めている。