VISAやシティに拒絶感を示すアメックス派な顧客も

アメックスのコストコカード会員には、今年5月から6月にかけてシティのコストコカードが郵送される手筈であったが、実際に受け取ったのは1100万人。

シティは、18万人のカードが宛先不明で返送されてきたこと、10万人が切り替えの手続きを行っていなかったことなどを理由として挙げている。

また郵送日から3日間で、150万人の顧客からの電話がカスタマーサービスに殺到したため、つながるのに時間を要したと説明。

対応スタッフを増員するなどして対応にあたり、何とか落ち着きを取り戻した。シティのマイク・コーバットCEOは、「今後は全力をあげて、コストコのカードをサポートしていく」と、信用を取り戻すことに専念する意向を示している。

しかし顧客からは、何千万人という顧客カード切り替えにあたり、「こうした混乱は予想できていたはずだ」という声が多数あがっており、事前に万全の対応策を投じていなかったシティとコストコの怠慢を「無責任だ」と非難している。

顧客の信頼が何物にもかえがたいことは、どんなビジネスにも共通する最優先事項であるはずだ。「低価格での販売」を信条にかかげるコストコだからこそ、顧客のリピート率がより重要性を持つ。消費者の足は、信用できない企業の商品やサービスから、次第に遠のいていく。

今回の騒動で、VISAやシティ自体に、拒絶感を示している顧客がいることも明らかになっている。どうやらアメックスとの決別は、「顧客との信頼関係」という観点からは、大失敗だったようだ。

コストコ側は顧客からの苦情の収集にあたっているものの、正式なコメントは発表されていない。(ZUU online 編集部)