中国アリババグループ(阿里巴巴集団)が金融子会社アントファイナンス、仏保険・金融グループ、アクサ(AXA)と提携し、「国際eコマース保険サービス」を開始する。
このサービスはアリババの国際マーケット「アリエクスプレス(Aliexpress)」に適用され、顧客が購入した商品がAXAの保険でカバーされるというもの。また「Alibaba.com」で同様のサービスを、小売業者向け保険として採用することも検討している。
3社は保険サービスのほか、今後様々な角度から消費者や市場の需要を分析し、革命的な商品開発に向けて協力しあっていく姿勢だ。
商品、支払いの保証から海外旅行保険まで
AXAが7月29日にWebサイトで公表した情報によると、提携関係による合同プロジェクトは現在初期段階。
AXAはAliexpressで仕入れを行う業者向けに、商品の保証延長や修理関連のサービス、オンライン支払保証のプレミアムサービスなどを提供する予定だ。
またアントファイナンスを通して、中国の消費者に海外旅行保険商品の販売も企画している。
これらの商品は各地域の消費者の需要に合わせて、基準調節が行われるそうだ。
AXAのトーマス・ブベールCEOは、アリババを「最も進んだ企業」と絶賛。今回の提携関係で、AXAが「ユニークな国際的な直販チャンネル」へのアクセスを得て、新たな事業チャンスを拡大できるとの期待を膨らませている。
また中国保険市場における自社の位置づけを、アリババを通してさらに強化できるという点も非常に大きな魅力のはずだ。
AXAは世界56カ国に1億人を超える顧客を持つ、巨大国際保険会社。2013年に中国の不動産保険会社、Tian Pingの50%の株を4億8500万ユーロ(約552億8507万円)で買いあげ、中国最大の保険会社の座におさまった。
昨年の総収益は990億ユーロ(約11兆2850億円)。実質、信用ともに、アリババと並んで中国市場を牛耳る底力を誇る。