フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルが、「顧客の満足」をテーマに内部スタッフがハッカソン形式でアイデアを出しあうという、一風変わったFinTech促進プロジェクトを開催した。
開催地となった14カ国のアフリカ支店の開発スタッフ800人による応募数は400件を上回り、チュニジア、カメルーン、ギニアの3カ国チームが、最優秀賞を獲得した。
スタートアップに負けないアイデアが内部から飛びだす
世界76カ国で約15万人の従業員が勤務するソシエテ・ジェネラルは、多様な人種で構成された雇用網を通して、世界各地でFinTechプロジェクトを進めるという、国際色の濃い独自のスタイルで革命に貢献している。
今回アフリカで開催されたプロジェクトは、資金調達ラウンドのスタイルを用いた内部企画。スタートアップに負けないユニークな発想が、従業員から飛びだすかも知れないという可能性に挑戦したものだ。
その結果、「Customer Care」という顧客情報を分析し、需要に見合ったバンキングサービスを紹介するモバイルアプリを発案したチュニジアチームが見事首位に輝いた。
そのほかカメルーンチームの自動的にファイルをチェックする、ビジネス顧客用ITシステム「KYC Robot」が2位、ギニアチームの個人消費者向けバンキングアプリ「Mobile Advisor」が3位に選ばれた。
優勝チームのチュニジアには、パリでエコシステムについて学べる研修旅行が賞品として贈られるほか、ダカール市(セネガルの首都)にあるソシエテ・ジェネラルの開発所で、3つの考案を実現する可能性が検討され、アフリカの子会社を通して商品化されるという。
ソシエテ・ジェネラル・グループ・アフリカ地域の責任者、アレキサンダー・メイマット氏は、今回のイベントが「自社のデジタル革命と顧客の満足度の向上に貢献する機会を、アフリカの従業員に与えてくれた」とし、今後もよりオープンな姿勢で新しいアイデアに対応していく構えだ。