いよいよ11月に投票日を迎える米国大統領選挙。デッドヒートの様相を呈する選挙戦だが、ここに来て米国の大手ヘッジファンドやその従業員、伝説の大物投資家たちが相次いで、クリントン氏への支持を表明。多額の献金をしていることが明らかになった。
超党派の米政治資金監視団体「CRP(センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス)」によると、クリントン氏支持の団体への献金は約4850万ドル。これに対してトランプ氏への献金は約1万9000ドル。その差は実に2500倍である。
伝説の投資家が続々と支持表明
クリントン氏支持を明確にした大物投資家の筆頭に上げられるのが、11年ぶりに大型の政治献金を再開したジョージ・ソロス氏だ。クリントン氏支持の理由として、同氏はトランプ氏に対し「反移民、反イスラム教徒の表現が強まっているのは言語道断。許しがたい表現や提案が繰り返されるのを放置できない」というコメントを発表している。
政治的にリベラル派として知られるソロス氏は、2004年の大統領選でもジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)再選を阻止するため、236万ドルという多額の献金をしたことで知られる。だが、今回の大統領選でソロス氏が約束した献金額は、1300万ドル(約14億円弱)と前回の献金総額を遥かに上回っている。
オマハの賢人と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、クリントン氏支持だ。支援団体に2万5000ドルの資金援助を行っている。金額は、同団体が定めている献金額(個人)の上限であり、以前から政治団体への献金を拒否し続けていたバフェット氏にとって、はじめてのものである。バフェット氏もかねてからクリントン支持を表明しており、インタビューでも「(大統領選では)ヒラリー氏が勝つ。賭けてもいい」と断言している。