米国と英国の消費者の54%が「モバイル・ウォレットを利用している」ものの、その目的や利用層が非常に多様化していることが、最新のモバイル・ウォレット調査で明らかになった。

また利用率の差に世代的な要因が絡んでいることは以前から判明していたが、新たな調査では所得層も関係しているなど、興味深い新事実が発見されている。

いずれにせよ消費者を満足させるハードルが、ますます高くなっているようだ。

ウォレットへのクーポンや割引の付加で販売が18ポイント増

最早「お財布携帯」という、単なる決済デバイスの枠組みを超えたモバイル・ウォレット。クレジットカードやデビットカードなどは勿論、アクセスキーやIDといった様々な情報を一カ所にまとめて保管、持ち運び可能な便利ツールとして、消費者の生活に定着し始めている。

米英の成人2000人を対象に、米モバイル決済ソリューション会社、Urban Airshipが実施した調査では、55%がモバイル・ウォレットを店頭での決済に利用しているが、ポイントや割引といった特典が付加された場合、その数字が73%まで一気に跳ねあがる。

この数字の伸びが示すように、モバイル・ウォレットの利用を押しあげる効果が最も高いサービスとして、消費者は「ポイント制度(60%)」や「クーポン(57%)」の発行を挙げている。

実際に利用する、しないに関わらず、「ポイント制度を採用しているブランドには好感がもてる」と答えた消費者は、80%にものぼる。

ほかには「空港での自動化ゲート(36%)」「注文状況の確認(25%)」など、便利性も高く評価されているようだ。

サービスが多様化した近年、決済速度や安全性だけでは消費者を満足させることは難しく、あくまで「財布を肥やすサービス」を付加させることが、重要となりそうだ。