都心ではホテルの建て替えが相次いで行われようとしています。5月23日にホテルオークラが旗艦ホテルである「ホテルオークラ東京」(東京・港区)を建て替えることを発表しました。2015年8月を目途に老築が進んでいる本館の営業を休止し地上38階(高さ200m)と地上13階(高さ80m)のビルを新築し、2019年春の営業再開を目指しています。2020年の東京オリンピック、そしてその後の訪日外国人が需要を取り込むために建て替えに踏み切る模様です。
現在、都心はホテルの建設ラッシュに沸いています。2011年3月に営業を終了した赤坂プリンスホテルは、グランドプリンスホテル赤坂として2016年5月下旬に竣工する予定です。また皇居付近には外資系のホテルが次々と建設・開業しています。いずれも東京オリンピックを見据えての動きですが、このホテル業界の恩恵を一般個人でも受ける方法があります。それがホテル業を営んでいる企業への投資です。ここでいくつか銘柄をピックアップしてみましょう。
帝国ホテル<9708>
高級ホテルといえば、多くの人が思い浮かぶホテルだと思います。三井不動産が筆頭株主となっており、設立が1887年という老舗ホテルです。2013年12月期における自己資本比率は74%と不動産業を営む企業としては財務内容も良好です。宴会・レストラン等が順調に推移しており、今後はさらに客室稼働率の上昇も見込めます。
西武ホールディングス<9024>
4月23日に再上場したことで記憶にも新しい企業です。上場にあたっては紆余曲折もありましたが、現在では2,000円(5月29日現在)を超える高値となっています。赤坂や高輪など都心の一等地に土地を保有していることを考えれば、インフレ対応資産としても考慮したい銘柄と言えます。
常和ホールディングス<3258>
みずほ系の不動産会社です。オフィスビル賃貸とビジネスホテルが収益の柱となっており、またゴルフ場の運営も行っています。景気上昇期には恩恵の受けやすい事業領域を多く保有している企業であり、一時的に下がった時には狙いたい銘柄の1つです。
星野リゾート・リート投資法人<3287>
ホテル業界ではホテル再生請負人として有名な星野リゾートが手掛けるリートです。固定賃料に加えて、売上実績に応じた変動賃料も導入しているため、観光客が増加してくれば、大いに期待の持てる銘柄と言えます。物件の担保価値自体はさほど高くないため、ホテルの運営が大きなポイントとなります。
オリエンタルランド<4661>
東京ディズニーリゾートを運営している企業として有名です。テーマパークだけでなく、ホテル業も手掛けており、観光客が増えれば、ホテルとテーマパーク両輪での収益アップが期待できます。今後もアトラクションなどへの投資は積極的に行っていく予定であり、テーマパークの集客増も大いに期待できます。
2020年の東京オリンピックに向けていくつか保有してみるのも面白いと思います。
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ホテルオークラ東京
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