私立中学校
私立中学校では、学校教育費は102万2397円、学校給食費は4154円、学校外活動費は31万2072円となり学習費総額は133万8623円となり、公立中学校に比べると学習費総額の差は2.8倍かっている。
私立小学校、私立中学校ともに授業料などは、学校によっても金額の幅がある。
たとえば都内にある私立の授業料を参考にみてみると、八王子実践の25万2000円から玉川学園中学部(IBクラス)の131万3000円と100万円以上、授業料に差がある。どの学校に進学するかによって、学費の負担の差は大きいことがわかる。進学に必要な金額は進学する学校によっても異なるため、志望校を選ぶ際に学校のホームページでかかる費用を早目に確認しておきたい。
私立小学校・私立中学校の受験は学費がかかることはもちろんのこと、入学前の塾代などの費用も多くかかる。中学受験であれば、一般的には小学校4年生から3年間、塾に通うことになる。塾は毎月の授業料、教材費、春・夏・冬休みにある季節講習、模試代などがかかってくる。ある都内大手進学塾の授業料を参考にみてみると、国語・算数・理科・社会の4科目の毎月の授業料は4年生2万5400円、5年生3万9600円、6年生4万700円となる。これに加え教材費、季節講習費、模試代を含めると塾代だけでも3年間で軽く200万円は超える。
補助金が出た場合のインパクト
2015年5月時点で、補助金の対象となる年収590万円未満の世帯の私立小中学生(特別支援額含む)の人数は推計約4万人である。補助金が出たとしたら、どれだけ家計にインパクトがあるのかモデルケースを見ながら検証してみた。
モデルケース
世帯年収500万円(平均手取り月額32万円)
妻専業主婦
子供1人(長男2017年度私立中学入学予定)
月の支出
生活費12万円
住宅ローン10万円
授業料7万円
世帯年収500万円であれば、補助額は年間10万円で、月平均約8300円となる。
もちろん、補助額はないよりは貰える方がありがたいが、家計に対してのインパクトは大きくはない。補助額を貰えることで、経済的に私学を断念していた世帯が、私学を選択しやすくなる世帯が増えるかというと影響力は低い。つまり補助額により、中学受験戦争が激化することは考えにくい。
この程度の補助ではあまり影響がなく、むしろ政府は使い方をよく考えたほうが良いのではないだろうか。
今関 倫子 ファイナンシャル・プランナー (AFP)
外資系保険会社勤務中にファイナンシャル・プランナー(FP)を目指し、AFP(日本FP協会認定)資格取得後、独立系FP事務所に転職。女性を中心に年間のべ200件以上のマネー相談を受け、多くの経験を経て独立。個人マネー相談、執筆、マネーセミナーを中心に活動中。
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