米デジタル通貨取引所、ジェミニ・トレーディングが日替わり更新のビットコイン・オークションを開始。

証券取引所ではお馴染みの「オークション方式」だが、ビットコインに採用されるのは世界初の試み。デジタル資産投資家がビットコイン価格の変動を把握するうえで、欠かせない情報源となりそうだ。

オークションを通してデジタル投資の基本構造を築く

オークションは毎日午後5時に始まり、翌日午後4時に終了する。買い手・売り手ともにビットコインと米ドルで入札可能。オークション開始から22時間50分経過した時点で気配値が毎分ごとに更新され、午後3時59分まで入札取り消し受けつけという流れだ。

その日その日の流動性を凝縮することで、大口投資家の価格操作を回避できるといった目的は勿論のこと、ジェミニの最終的な狙いはビットコイン・オークションを通して、デジタル投資の基本構造を築くことにある。

各国で資金決済法などの改正案が検討あるいは成立し始めているとはいえ、仮想通貨市場はまだまだ歴史が浅い。投資家が銀行に知らせる公式な終値すら、基準化されていない現状だ。

ジェミニの市場構造部門の責任者、ベンジャミン・スモール氏は、オークションはこうした仮想通貨市場の不透明性を払拭するほか、売り手と買い手を仲介する役割も果たすと期待している。

また時間制限を設けることで買い手を惹きつけ、一時的に価格が上昇する可能性もあり得るなど、機関投資家には嬉しいメリットも考えられる。

世界で初めてニューヨーク金融サービス局(NYDFS)からビットコイン営業許可書を取得したことで知られるジェミニは、今度も様々な活動を続けながらデジタル資産の地位を固めていく意向だ。

今年6月にもナスダックやBATS取引所などにビットコイン上場投資信託(ETF)の申請を行い、現在審査結果待ちである。( FinTech online編集部

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