ミレニアム世代をターゲット層に、「ロボットアドバイザーでおなじみのAI(人工知能)技術を、競馬やサッカー、野球などのスポーツ・ベッティング(賭博)に利用する」という発想から生まれたスポーツ専門AI予想ツール「プロゾーン」などの次世代ソフトが、賭博の世界を変え始めている。

テクノロジーをスポーツデータ分析にするという手法は、すでにシカゴのスポーツデータ分析会社、STATSが35年前から専門分野としているが、最先端のAI技術を取りいれることで分析から予想へ、一歩進んだ賭博ツールに進化を遂げている。

AI予想でスポーツ賭博もデジタル化の時代

STATSはプロゾーンを利用し、バスケットボールからアメリカンフットボール、アイスホッケー、ラグビーといった主要スポーツの分析だけではなく、勝敗の予想を顧客に提供している。

「ファイナンシャル・アドバイザーのお手頃版」として大人気のロボアドと、原理はまったく同じである。AIに選んでもらう対象が、投資商品ではなくスポーツというだけの違いだ。

スポーツ版ロボアドは、例えばサッカーのプレミアリーグの試合結果を予想する場合、出場選手や監督の成績は勿論、チーム全体のコンディションなども考慮に入れてデータを弾きだす。

また次期監督候補などの予想も可能なため、英チェルシーFCのデータと監督候補のデータを照合させ、「新監督にアントニオ・コンテ氏が就任する」と的中させることもできただろう。

今後こうしたソフトがさらなる進化を遂げることで、スポーツ賭博産業ががらりと様変わりする可能性が十分に考えられる。そうなればAI技術のギャンブルへの進出が、既存のブックメーカー(賭博を主催している会社)に影響をおよぼすことは避けられないだろう。
プロゾーンなどのAI技術で予想的中率があがれば、賭博初心者でも容易に「勝てる」状況が続発しかねない。その一方で「知識も運も不要で簡単に勝てるのであれば」という、にわかギャンブラーが急増するかも知れない。

5年後には24時間365日、AIまかせの賭博が当たり前といった世の中に移行していても、まったく不思議ではないだろう。( FinTech online編集部

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