VOYAGE GROUP< 3688 >のマザーズへの新規上場予定日が7月2日に決定しました。ポイントサイトを主力事業にもつ企業としては初の上場となりますが、一足先に上場予定のフリークアウト< 6094 >でも注目されるアドテクノロジーが二大主力事業の一つであり、人気が予想される銘柄と言えるでしょう。
VOYAGE GROUPの仮条件と初値予想
会社計画では、14年9月期の連結経常利益は前期比2.8倍増の15億400万円。スマートフォン(多機能携帯電話)向けビジネスの拡大などを背景にメディア事業が拡大しており、アドテクノロジー事業も成長している点が好要因と言えます。吸収金額が最大100億円近くとマザーズ上場としてはかなり大型ですが、収益規模もネット株のIPOとしては大きく、かつ足元の伸び率も好調のため、想定以上の買いが入る可能性もあると言われています。
表:VOYAGE GROUPの業績・財務指標(出典:モーニングスター IPO レポート)
決定した仮条件は2,200円~2,400円。公開価格がこの上限ならば、初値の想定は4,00円台~5,000円のレンジになります。理由は、①大株主ポラリスの売り、②サイバーエージェントの保有継続、です。昨年から人気のネット関連株の状況を見ると、上場初日に100億円規模の買い注文が入る可能性も考えられます。しかし、現在の上場前株式の46.23%(563万7000株)を保有するPEファンドのポラリス・キャピタルに課せられたロックアップ(売買禁止期間)は、株式売買単価が公開価格の1.5倍以上を超えると解除されます。ここで入るポラリスの売りが、上値を抑える展開になると予想されます。
一方でサイバーエージェントも上場前株式の11.02%(134万3400株)を保有していますが、サイバーエージェントが初値売りを行うことは稀なのが現状です。加えてポラリスもVOYAGEの株主にVCが少ないことから特に売りを急ぐ必要がありません。これらは価格を4000円台から下支えする要因となりそうです。よって、需給はポラリスの売りが解禁されるであろう「公開価格の1.5倍付近」で均衡するものと見られます。