サッポロ,ビール,不動産企業
(画像=Webサイトより)

深くコクのある味わいがウリのサッポロ黒ラベルやエビスビール。爽快感のある「のど越しを楽しむ」アサヒやキリンのビールとは異なる魅力でビール党に愛されている。これから冬に入るにつれて、鍋物などにも合う「味わいを楽しむ」ビールとして売り上げ増が期待される。

酒類販売大手の業績が伸び悩む中、今期のサッポロビールの業績の前年度の伸びは好調な模様だ。アルコール販売で業界シェア4位のサッポロの事業は、ビール販売が企業収益の大部分へ貢献しているだろうと思いきや、実はそうではない。そこにはアルコールの販売の裏側でサッポロの事業を大きく支える不動産事業の好調さがあるようだ。サッポロの事業の裏側を紹介しよう。

実は不動産企業? サッポロの事業展開をみる

サッポロは「サッポロ黒ラベル」に代表される酒類販売専門の企業だと一般的には思われている。実際、多くの人がサッポロという名を聞くと、恵比寿様のマークや黒い星マークを思い浮かべるようで、酒好きからも人気の高いブランドである。

しかし、冒頭でも述べたように国内の酒類販売のシェアで言えばサッポロは4位となっており、大手のアサヒやキリンに売上高でも大きく差をつけられている。事業内容を改めて確認してみると、次のように書かれていることが分かる。

「グループコア事業の酒・食・飲の3分野とともに、不動産事業とともにグループ保有のブランドを育成強化し、国内外で事業展開をする」(サッポロHPより一部抜粋)

酒・食・飲はわかるが、不動産事業というのが興味深い。実はサッポロの傘下には「サッポロ不動産開発株式会社」という名の事業会社が存在する。この企業が、不動産の賃貸管理や開発、ホテル運営などを行っているのだ。実際、恵比寿における大人気スポットである恵比寿ガーデンプレイスは、当企業が事業展開を行う不動産として有名である。また同時にこの企業は「サッポロファクトリー」という複合施設も運営している。

恵比寿ガーデンプレイスやサッポロファクトリーにおける事業は少なからず、サッポロの業績に貢献しているようである。では、このサッポロは大手酒類販売と比べて本業の業績の伸びという点でも劣っているのかどうかをみてみよう。