まずは「気持ち」に着目してみよう

実はこんな職業をしながらも妻からは時々厳しい指摘を受け、「女はただ聴いてほしいだけなの。それで十分なの」というお言葉をよく頂戴しています(苦笑)。男性はついつい役に立ちたくて、また問題を解決してあげたくて口を挟むのですが、女性にとってそれは非常なマナー違反。

女性が求めているのは「ふんふん。へえ、それで? そうなんだ。大変だったなあ」という受容であり、理解であり、気持ちの通じ合うコミュニケーションなのです。一方、男性が求めているのはもっと論理的なコミュニケーション。情報や考え方、知識などを交換するためにコミュニケーションを使います。

そう、コミュニケーションに求めるものが男女間で違うのですから、それでは地雷を踏みまくりますよね。それが夫婦であれば、これまでの夫婦生活で散々お互い地雷を踏みまくっているわけですから、かなり警戒モード。

だから、やはりここでも「聞く姿勢」が重要となってくるのです。

男性にとって感情は苦手なものですが、気持ちに着目してみると、奥さんの言いたいことが理解できるので、夫婦の距離を縮めることが可能になります。

基本はやはり「聞く姿勢」

職場のケース、夫婦のケースを取り上げましたが、それぞれ状況は違うものの、肝心なのは「聞く姿勢」であることがわかったかと思います。

聞き役として意識を向けることで地雷を踏むことも減りますし、聞くことで信頼関係ができますから、少々地雷を踏んでも優しく受け止めてもらえることも増えるのです。

そんな男女間、世代間で地雷を踏みやすいなあ、と感じていらっしゃる方は拙著『人間関係がスーッとラクになる 心の地雷を踏まないコツ、踏んだときのコツ』(日本実業出版)がより参考になるのではないでしょうか。

根本裕幸(ねもと・ひろゆき)カウンセラー
1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年、プロカウンセラーとしてカウンセリング業務を開始。以来、延べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に参加。その後、14年間企画・運営に従事し、2003年から年間100本以上の講座やセミナーをこなす。2015年3月退職し、独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動を始める。
著書に『こじれたココロのほぐし方』(リベラル社・星雲社)、共著書に『こころがちょっぴり満ち足りる50のヒント』(すばる舎)、監修に『心理カウンセラーが教える「聞く」技術』(日本文芸社)がある。(『 The 21 online 』2016年11月30日 公開)

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