京都,ホテル,違法民泊
ユニホーが京都市下京区で進める大型ビジネスホテル・烏丸五条ホテル(仮称)の建設現場(筆者撮影)

訪日外国人観光客の急増を受け、京都府京都市でホテルなど宿泊施設の建設ラッシュが起きている。訪日外国人観光客の多くは首都圏と京阪神を回る観光ルートを通るが、市内は首都圏以上にホテルの予約が難しい。

市が違法民泊を排除して宿泊施設の誘致を打ち出していることもあり、建設計画が目白押しの状態だ。

さらに、ゲストハウスなど旅館業法の簡易宿所の許可を取る施設も急増中で、当分の間市内から宿泊施設建設の槌音が絶えそうにない。

三井不動産、西鉄などもホテル運営に参入

京都市を南北に貫く幹線道路・烏丸通。その沿線に当たる下京区のオフィスビル2棟の跡地で新しいホテルの建設工事が進んでいる。不動産管理のユニホー(名古屋市)が新築中の大型ビジネスホテル「烏丸五条ホテル(仮称)」だ。

烏丸五条ホテルは地上10階建て延べ約9000平方メートルで、客室305室。ユニホーが2015年に50億円近くをかけ、購入していた。完成後に土地と新築した建物を売却するホテルの「建て売り」事業とし、2018年冬ごろの開業を目指している。

ユニホーは住宅分譲やマンション管理を主力としているが、2015年からホテルの「建て売り」事業に本格参入した。ユニホーでは「京都でホテルのニーズは高く、一等地を見つけられた。今後の観光需要を考えると、大きな魅力を感じている」としている。

東山区では、「京都祇園小松町ホテル(仮称)」の建設が進んでいる。不動産運営のNTT西日本アセットプランニング(大阪市)がホテルを建設し、不動産大手の三井不動産〈8801〉グループが建物を賃借し、ホテルを運営する。オープン予定は今秋。

ホテルは地上5階、地下1階建て延べ約8000平方メートル。客室は163室を予定している。現場は観光名所が近くに多い祇園エリアの一角で、京都観光にもってこいの場所。訪日外国人観光客の利用も想定し、高級感漂うホテルにする計画だ。

三井不動産広報部では「京都観光はこれからも需要が伸びそう。2014年にオープンした三井ガーデンホテル京都新町別邸も好調で、小松町ホテルにも大きな期待をかけている」と語った。

このほか、中京区で私鉄大手・西日本鉄道〈9031〉の「ソラリア西鉄ホテル京都プレミア三条鴨川」が4月にオープンする。地上5階、地下1階の建物に約200室が入り、「鴨川ビュー」の客室も用意する。

東山区の老舗料亭「京大和」は、敷地内にホテルを建設し、2019年に開業させる計画。運営は米ホテル大手のハイアットに委託、「パークハイアット京都」とする。ホテルは地上2階、地下4階建てで、客室数は70室程度になる予定だ。

年ごとに増える宿泊施設の新規許可件数