国際コンサルティング会社、アクセンチュアが1月17日、ブロックチェーン技術が銀行にもたらす恩恵を分析・予測する最新レポートを発表した。

ブロックチェーンの採用にあたり、取引プロセスやデータ管理の向上といった利点が期待されていることはすでに広範囲で認識されているが、アクセンチュアは大手投資銀行にとって年間80億ドルから120億ドル(約9059億2000万円から1兆3589億円)のコスト削減につながると見こんでいる。

戦略・アラインメント・知識・人材が重要

レポートによると、大手投資銀行は従来のバックオフィスのインフラをサポートするために、年間予算の3分の2をIT関連業務に投じているという。またコスト削減策には年間何十億ドルとかかる。

アクセンチュアはこうしたシステム自体が時間やコストの浪費であるとし、「ブロックチェーンはすべての問題を解決する特効薬ではない」と警告しつつも、業務効率化の効果的な手段として活用できる可能性について述べている。

レポートでは8社の大手銀行のコスト構造に基いた、具体的な削減率が算出されている。コスト・ベースを300億ドル(約3兆4005億円)として考えた場合、削減可能なコストは27%に値する80億ドル。これ以上効果的なコスト削減策は今のところほかには見当たらない。昨年の資本市場におけるブロックチェーン投資が、予想の2倍である総額2億8000万ドル(約317 3800万円)に達したのも不思議ではないだろう。

ブロックチェーン採用の必須事項としては、「戦略」「アラインメント(調節)」「知識」「人材」が挙げられている。自社を成長させる効果的かつ現実的な戦略、自社の要求に見合う長期的な投資計画、最新技術を最大限に活用するための知識、開発を具体化するためのテクノロジー人材の確保などだ。

現時点では初期段階にあるブロックチェーンだが、ある程度の結果がでるまでと傍観しているだけでは競争力は培われない。ブロックチェーンを始めとするFinTechの出現により、数年後には金融市場の勝者と敗者がはっきりとわかれているのかも知れない。( FinTech online編集部

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