PayPalホールディングスが決済システムの提供についてAmazonと交渉中であることが、ブルームバーグのインタビューに応じたダニエル・シュルマンCEOの発言から明らかになった。

Amazonの長年のライバル、eBayとPaypalが2015年に分社化したことにより、国際オンライン市場を牛耳る2大企業の提携関係が成立する可能性がでてきた。

シュルマンCEO「お互いの領分をどのような形で活かすか検討中」

シュルマンCEOは1月26日に行われたインタビュー中、PayPalの利用者が2億人に達している事実を挙げ、「規模の大きさを考えると、どの小売業者でもPayPalに対応したいはずだ」と、以前からAmazonと交渉中であることを認めた。

詳細は明かされなかったものの、交渉内容は「両社の顧客にとっての利益を創出するうえで、お互いの領分をどのような形で活かすか」という点に絞りこまれているという。

2015年には1070億ドル(約12兆2847億円:Statistaデータ)を超える総売上を叩きだした巨大eコーマース、Amazonだが、現時点では他社のデジタルウォレットによる決済法を導入していない。

安全性や利便性を優先する消費者の間でオルタナ決済の需要が飛躍的に伸びていることを考慮すると、そのパイオニアであるPayPalとの提携はAmazonにとっても大きな収穫をもたらすはずだ。

Amazonは2013年に独自のワンクリック決済(Login and Pay with Amazon)を導入。外部ECサイトでも利用可能となっているが、基盤となるAmazonアカウントは銀行やカード情報とリンクされている。この点はPayPalと類似するため、PayPalの追加導入が必須というわけではないと推測される。

しかし消費者の要求がますます過熱している近年、豊富な選択肢を提供するという意味でも、PayPalとの提携が実現する可能性は高い。Amazonは交渉についてのコメントを控えている。( FinTech online編集部

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