話題性では今ひとつインパクトに欠けるロシアFinTechだが、実は優秀なスタートアップが続々と登場している。テクノロジー分野の突出度にかけては定評があるロシアならではの、実力・技術ともに充実した成長具合だ。

ロシアFinTechが世界規模で注目されにくい理由は、国土に根付いた閉鎖的な環境ではないかと思われる。米国、英国、シンガポールに代表されるFinTech発展国が、他国との技術やスタートアップ提携にオープンであるのに対し、ロシアではまだまだ外部からの受けいれ体制が整っていない。

しかし近年は政府がFinTech促進に本格的に乗りだしたほか、大手銀行・企業によるハッカソンが急増するなど、今後期待できる要素がふんだんにある。すでにリアルタイム決済プラットフォーム、Tinkoff Digitalなどは国際的高評価を得ているが、ここではFinTech情報サイト「TechBullion」が注目するFinTech企業5社を紹介する。

リテール銀行向けビッグデータ・ソリューション「Double Data」

リテール銀行向けビッグデータ・ソリューションを提供。債権回収から顧客開拓、評価まで様々な分野に対応している。コンピュータ利用学習(CAL)法、データマイニング、ビッグデータツールを融合させた画期的なサービスだ。2012年設立。

CIS地域の次世代決済サービスを先導「QIWI」

ロシアを含むCIS(旧独立国家共同体)加盟国の決済市場をリードするスタートアップ。統合化した固有ネットワークでオンライン、モバイル、物理店舗など、幅広い決済範囲をカバーしている。月利用者数570万人、バーチャルウォレットのユーザ数167万人、端末設置15万件を誇る。

設立25年、FinTech企業100に輝いた実力派「Diasoft」

一般企業、保険、銀行、資本・債券市場まで、あらゆる分野に自動化ソリューション・ソフトを提供している。2014年にはアメリカン・バンカー紙の「トップFinTech企業100」にも選ばれた実力派。設立1991年というだけにスタートアップの域から突出している。

バランスシート型P2P「Blackmoon Financial Group」

バランスシートとP2Pの融合というコンセプトで大ブレイク。昨年は米市場への進出も果たした新融資プラットフォームだ。設立者がロシア版Facebookといわれる「VK.COM」のヴァイス・プレジデント、イリヤ・ペレコプスキー氏だけあって、バランスシート融資者とP2P投資家の仲介という発想がユニークだ。

スタートアップ・ベンチャー「InVenture Partners」

革命的な視野をもつるスタートアップの起業、成長を支援する投資会社。特に成長段階に位置するFinTech企業の支援に力をいれている。2012年の設立以来、3億ドル(約340億500万円)弱の資金調達に成功。

FinTech online編集部

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