ビートルズゆかりの地として有名な英国北西部リバプールで、独自の小売決済用デジタル通貨「リバプール・ポンド」が発行され、話題をさらっている。
カラード・コインのコード開発などで知られるイスラエル・スタートアップ、Coluとの提携で実現した地域密着型デジタル通貨だが、発行からわずか1カ月足らずでユーザー数が3000人を突破するなど、地元活性化への貢献が期待されている。
ほかの英都市でも地域限定通貨が流通
個人経営の地元小売店を支援するコミュニティー「インディペンデント・リバプール」の働きかけによって生まれたリバプール・ポンドは、地域限定の通貨を循環させることで小売店と消費者間に地元特有のネットワークを構成し、地元小売業の活性化を狙うというものだ。
リバプール・ポンドのウェブサイトによると、サービス利用料は月額25ポンド(約3527円)。スマートフォンにColuアプリをダウンロードするだけで、デジタルウォレットからリバプール・ポンド決済が可能になる。
地域密着型デジタル通貨の循環は地元小売店に恩恵をもたらすだけではなく、現金輸送の必要がなくなるため、環境に優しい低炭素経済も期待できる。
英国では2014年以降、すでに同様の地域密着型デジタル通貨が複数の都市で発行されている。英テレグラフ紙のよると、今月中には東ロンドンでもColuの地元デジタル通貨が導入されるようだ。
英国ではこうした地域活性化の動きが徐々に広がりを見せており、コミュニティー・インタレスト・カンパニーズ(CIC)と呼ばれる事業促進活動に重点を置いた非営利法人の設立が、2016年の時点で1万2000件を突破。政府と提携しているCICも多く、今後ますます活気づくと予測されている。
デジタル通貨発行に関しては、「ギルド・オブ・インディペンダント・カレンシーズ」が活動範囲を拡大している。英国初の地域密着型デジタル通貨となった「ブリストル・ポンド」が設立した、独自のデジタル通貨発行を支援するネットワークだ。
このネットワークをとおし、現時点では南西部(ブリストル、トットネス)、ロンドンのブリクストンなどが独自のデジタル通貨を普及させている。( FinTech online編集部 )
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