今回の「日本株投資戦略」では、3月末に権利が確定(ほとんどは権利付最終日が3/28)する株主優待銘柄をご紹介したいと思います。
2/23(木)に2月株主優待銘柄のほとんどが権利付最終日を迎える今、なぜ3月優待銘柄に注目するのでしょうか。理由は、2月優待銘柄の権利付最終日が終わると、株主優待に注目する投資家の関心が3月株主優待銘柄にシフトし、それらの株価が上昇しやすくなるためです。
雑誌等のメディアも株主優待を特集してくると予想され、特に3月になると3月株主優待銘柄が人気化し、株価が高くなる可能性があります。株主優待に注目する投資は、中長期スタンスが基本だと思いますが、それでも株価が安いうちに買い付けることができた方がパフォーマンスは良くなると考えられます。
ちなみに、権利付最終日には配当の権利も確定します。総合的な投資パフォーマンスを上げるために、予想される配当金額とともに株主優待を検討したいと思います。
好配当と利便性の高い金券が魅力の3月株主優待企業は?
株主優待として企業から贈呈される物品やサービスの中で、最近はクオカードやJCBカード等の金券が贈呈されるケースが多くなっています。金券は全国多くの小売店や外食店で利用することができ、株主にとっても利便性が高いのが特徴です。
表1は好配当が期待できる上、利便性の高い金券を株主優待として受け取ることができる見込みの3月株主優待銘柄となっています。銘柄の抽出条件は以下の通りです。
(1)当社Webサイト株主優待検索を使い「優待権利確定月」が3月の銘柄を選択
(2)当社Webサイト株主優待検索を使い「優待獲得に必要な金額」が20万円以下を選択
(3)株主優待の権利を得るために保有株数や保有期間に制限のある銘柄は除外
(4)会社資料から予想配当利回りが東証一部の平均(1.7%)以上と確認できる銘柄であること
(5)今期会社予想純利益が黒字の銘柄であること
上記の全条件を満たす(2017/2/9時点)銘柄の中から、金券が株主優待内容に含まれている銘柄を、閲覧回数順に5銘柄ご紹介したものが表1の銘柄となります。なお、赤字予想の銘柄は株価下落リスクがある上、株主優待・配当政策変更の可能性が大きくなりやすいため除外しました。
好配当に加え、特徴的な株主優待が魅力の銘柄は?
好配当に加え、100株以上保有で特徴的な株主優待を受けられる見込みの銘柄も少なくありません。
ミサワホーム <1722> は予想配当利回りが1.92%と東証一部の平均以上になっている上、自社グループ利用優待券(工業化住宅の建物本体価格1~3%割引、在来木造住宅の工事請負価格2%割引、リフォーム工事代金3%割引)を受け取ることができる株主優待があります。住宅を建てるという特殊な目的がある方にとっては、高額な商品の割引だけに価値は大きくなると考えられます。
TOKAIホールディングス <3167>は予想配当利回りが3.37%と平均をはるかに上回る配当が魅力になっています。その他以下の中からいずれかひとつのサービスを受けることができます。
(1)天然水(500ml入)12本
(2)天然水宅配サービス(12l入)1本
(3)クオカード500円相当
(4)自社グループ食事券1,000円相当
(5)自社グループ会員サービスポイント1,000ポイント付与
また、東急不動産ホールディングス <3289> はリゾートホテル宿泊優待券1枚、宿泊優待共通券2枚、スポーツ優待共通券2枚等の株主優待があります。旅行・レジャーが好きな投資家がフル活用できればお得度を上げることが可能です。ちなみに予想配当利回りは1.95%と平均以上です。
大都市でフランス料理などを展開するひらまつ <2764> も予想配当利回りが3.01%と平均を上回る配当が魅力です。さらに、同社経営レストラン・ホテルで10%割引や、フェアへの有償招待、婚礼飲食代10%割引、自社オンラインショップでのワイン購入20%割引等の優待を受けることができます。ちょっとリッチな飲食を希望する投資家の方にとっては魅力度の大きい銘柄と考えられます。
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
鈴木英之
SBI証券
投資調査部
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