NFC搭載スマホとコンタクトレス・ミラーを利用して、試着室から直接支払いができる新たな決済システムが、サンフランシスコのスタートアップ、オーク・ラボス(Oak Labs)と米決済プラットフォーム「Dot Dash Pay」によって開発された。

ラルフ・ローレンが採用している、商品情報などを鏡に映しだす「スマートミラー」に決済機能を追加したものだ。

接客のプレッシャーから解放、購買意欲促進を期待

オーク・ラボスは2015年、元eBayのリテール・イノベーション部門の責任者、ヒーリー・サイファー氏によって共同設立されたITソフトスタートアップだ。ラルフ・ローレンなどの大手リテールと提携し、最新のテクノロジーを小売産業に取りいれ、顧客サービスの向上に貢献する商品を開発している。

ラルフ・ローレンの試着室に設置された「スマートミラー」は、オークの技術を世界中に知らしめた代表的存在といえる。見たところ普通の鏡となんら変わった点は見られないが、電波を受けて働く小型の電子タグ「RFタグ」のついた商品を試着室に持ちこむと即座に商品情報とタグが鏡に映しだされ、試着室の中からスタッフに違う色やサイズがリクエストができる。

それと同時に、スタイリストおすすめの関連商品情報なども知ることができる優れものだ。スタッフによる接客をプレッシャーと感じる消費者も多いため、自分のペースで自由にショッピングを楽しめるという点でも、スマートミラーは購買意欲促進に一役買うと期待できるだろう。

このスマートミラーに決済機能を搭載するという発想が、「Dot Dash Pay」との提携で実現した。これにより試着から決済まで、すべてのプロセスが試着室内で完了する。

Apple PayやAndroid Payを含む、多数のモバイル・コンタクトレス決済対応という点も嬉しい。現在はポロ・ラルフローレン、レベッカ・ミンコフなどの米リテールで利用可能だ。( FinTech online編集部

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