2017年も好調な出だしを見せているロボット・アドバイザー市場。KPMGはロボアドによる運用資産が2020年までには2兆2000億ドル(約246兆5540億円)に達すると予測している。
BettermentやWealthfrontなどの大手は勿論、Wealthify、Moneyfarmといった新手も予想をはるかに上回る快進撃を続けており、新旧いり乱れた激しい顧客略奪戦が繰り広げられそうだ。

ピアーズCEO「預けておくだけでは増えない時代」こそ投資すべき

2016年には評価額7億ドル(前年比40%増)、運用資産額50億ドルまで跳ねあがったロボアドのパイオニア、BettermentとWealthfront。「気軽に誰でも、どこからでも投資を楽しめる」というコンセプトで時代の流れに乗り、瞬く間に既存のファイナンシャル・アドバイザーを脅かす巨大市場に成長を遂げた。

勢いのあるロボアド・スタートアップも続々登場している。2014年に設立された英Wealthifyの初年リターンは8.86%から28.5%。5種類の高リスク・ポートフォリオもすべてベンチマークをクリア。最も高リスクなプランでは28.5%のリターンをたたきだした。

マイケル・ピアーズCEOは、英銀行の預金残高は7億ポンド(約977億 8667万円)にものぼるが、低金利の影響で預けておくだけでは増えない時代であることを強調。「多くの貯蓄者がお金を増やすチャンスを逃している」と、賢い投資の利用を提案している。

伊ロボアド会社、Moneyfarm は2012年の設立以来着実に知名度をあげ、本国で6万人の顧客を獲得。過去1年間で顧客成長率を150%更新した。進出を果たした英国でも、月平均の顧客成長率は16%と順調だ。

こちらもリターンは4.7%から21.5%と、銀行の預金口座に眠らせておくよりもはるかに割のよい見返りが期待できる。

テクノロジーが身近な環境で育ったミレニアル世代をターゲットに、新たな投資市場を開拓したロボアドだが、世界的な低金利傾向が追い風となった感も強い。ロボアドの継続的成長が予測されているのも不思議ではない。( FinTech online編集部

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