韓国のP2Pアプリ「Toss」が資金調達ラウンド・シリーズCをとおし、PayPalやシリコンバレーから総額480億ドル(約5兆5075億円)の調達に成功したことが、フォーブス誌など複数のメディアの報道から判明した。
PayPalにこれを機に、米国で大人気のP2Pアプリ「Venmo」の世界進出を狙う意図があるようだ。
成長率14倍 脅威の韓国人気アプリ「Toss」
「Venmo」は2014年にPayPalが開始した個人間送金アプリだ。送金相手を選んで金額を入力するだけという手軽さがうけ、瞬く間に年間200億ドル(約2兆2948億円)を取り扱う巨大送金サービスに成長を遂げた。
「Venmo」立ちあげの際、PayPalはオンライン決済代行スタートアップ、Braintreeを8億ドルで買収。今回のTossへの投資で韓国市場参入に挑む。
ソウルに拠点を置くP2Pスタートアップ、Viva Republicaが2015年にサービスを開始した「Toss」は、短期間で韓国大手銀行18社と提携。韓国で600人のユーザーが利用する韓国版Venmoだ。スンガン・リーCEOいわく、過去1年間で14倍の成長率だという。
最高500ドル(約5万7370円)までの小口送金がメインだが、即日融資やクレジットスコア・モニタリング・サービスなども提供している。今後は海外送金、マクロ保険、為替交換なども展開していく予定。
Viva Republicaは設立からわずか4年間で総額772億ドル(約8兆8579億円)を調達した、アジアP2P期待の新星だ。企業価値評価は公表されていないが、今回の大型ラウンドで2億5000万ドル(約286億8500万円)相当に跳ねあがったとフォーブス誌は推測している。
「Toss」はこれまで規制枠にしばられ、複数の面倒な手続きが必要だった韓国の送金システムに一大革命を起こした。韓国の金融規制緩和が貢献したことはいうまでもない。欧州のオルタナ決済市場を独占するPayPalとタッグを組みことで、より多くの韓国消費者を魅了するだろう。( FinTech online編集部 )
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