米証券取引委員会(SEC)が3月10日、「時期尚早」との理由でビットコインETF(上場投資信託)の申請を却下したことをうけ、ビットコイン価格が急落した。
承認をうければ1週間で3億ドル(約344億2200万円)の流入が見こまれていただけに、投資家にとっては期待はずれの結果というしかない。またこの決定により、現在承認を申請中のほかのビットコインETFにも影響がおよぶ懸念が高まった。
「米初のビットコインETF誕生」の道のりは長い?
「ウィンクルヴォス兄弟」として知られる米投資家、タイラー・ウィンクルヴォス氏とキャメロン・ウィンクルヴォス氏は、3年間にわたり今回の上場準備を進めてきた。
ロイターの報じたところでは、SECはビットコインの規制環境が十分に整っていないことを挙げ、申請を却下。今後の規制枠組みの発展次第で将来的に上場承認を検討する意向を仄めかした。
この決定が発表された直後、ビットコイン価格は一気に下落。1285.74ドルから1085.33ドル(約14万7525円から12万4530円/CoinDeskデータ)まで落ちこんだ。翌日には若干の盛り返しを見せたものの、3月12日も1182.36ドル(約13万5663円)にどとまっている。
規制当局の懸念は「ビットコインが価格面、トレード面で投資ファンドとして成り立つか」の一点に集中したようだ。ウィンクルヴォス兄弟は「投資家の安全性優先」と、規制当局の決定をうけとめている。
米ブロックチェーン投資会社、ブロックチェーン・キャピタルのリサーチ部門責任者、スペンサー・ボガード氏は、ビットコインETFが売りだし初週に3億ドル相当の数字を叩きだすと見こんでいた。
世界初の公開投資信託「ビットコイン・インベストメント・トラスト(BIT)」を取り扱うグレースケール・インベストメンツ、ブロックチェーン企業、ソリッドXパートナーズのも昨年上場申請を行い、現在承認待ちだ。
しかしSECが仮想通貨に対する警戒心を明確にした今、「米初のビットコインETF誕生」にはまだまだ時間がかかると予測される。( FinTech online編集部 )
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