旧村上ファンド出身者によって設立された投資会社エフィッシモ・キャピタル・マネージメント(シンガポール)が東芝の株式を8.14%取得し、筆頭株主になったことが明らかになった。これが好材料となり、24日の東芝株は一時前日比10%高の228円まで上昇した。

東芝,村上ファンド,モノ言う株主
(写真=PIXTA)

エフィッシモとは?

エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは村上ファンドで中心企業であったMACアセットマネジメント社の元ファンドマネジャー、高坂卓志氏ら村上ファンドの元社員3人を中心として、シンガポールに設立された資産運用会社。企業の経営に重大な影響を与える合併・買収や業務提携をはじめとする重要な出来事が発生した時に起こる株価変動を、収益を生むチャンスととらえて投資するイベンドドリブン戦略を採っているいるとされる。

米国の基金を含む欧米の機関投資家から資金を集めていて、現在川崎汽船やヤマダ電機、第一生命などの複数の会社の株を大量保有している。

関東財務局に提出された大量保有報告書によると、同社は東芝の株式の8.14%に当たる42億3760万2026株を保有、筆頭株主に浮上した。報告書では報告義務が生じたのを3月15日としており、24日に240.9円という戻り高値をつけたのち、16日に181.6円に下がるまで約25%の下落が起こったタイミングで大量買をかけたものとみられる。

同社では東芝株の所得目的について「純投資」とし、大半は「投資一任契約に基づく顧客資産運用のため」だと説明しているが、同社はかつて株式を大量に所得した学研ホールディングスに、社長の解任や業績改善を迫った「モノ言う株主」としても知られており、経営改善策を求める可能性もある。

株式市場は大きな値動き