米国のファッションブランド、マークジェイコブスが2017−18年秋冬シーズンを最後に男性向け商品を終了すると発表した。ルイ・ヴィトンやクリスチャン ディオールなどの人気ブランドを要するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループは比較的好調だが、マークジェイコブスは苦戦。売り上げが伸びているハンドバッグなどの女性向け商品に特化することによって、ブランドは再び上向くことができるのだろうか。
1986年誕生の米国ブランド「マークジェイコブス」
マークジェイコブスはアメリカのニューヨーク出身のファッションデザイナーマーク・ジェイコブスが設立したファッションブランド。日本の大手アパレル会社であるオンワード樫山の支援を受けて1986年に会社を設立している。
マーク・ジェイコブス氏はペリー・エリスでデザイナーとして活躍し、自分のブランドを立ち上げてからも、長くルイ・ヴィトンの服飾デザイナーを務めた。2014年の春夏までは女性向け商品のデザインを単独で担当しており、ルイ・ヴィトンの「モノグラム」シリーズでは、日本人アーティスト村上隆氏とコラボして「kawaii」をテーマとした商品を展開するなど、親日家としても知られている。
同ブランドはもともと、15万円を超えるバッグなど高価格帯の商品を展開していたが、2001年には5万円を切る価格帯の商品をあつかう若者向けの「マーク BY マーク ジェイコブス(MARC BY MARC JACOBS)」がセカンドラインとして加わった。
「マーク BY マークジェイコブス」はメインブランドの高級感のあるイメージをカジュアルに落とし込んだブランドとして人気を博し、日本でも女性ファッション誌にトートバックの付録をつけるなど、積極的にファン層の拡大を行っていた。しかしブランドイメージの変化などから同社は「マーク BY」は2015年に休止。メインである「マークジェイコブス」に取り込まれる形で統合を果たすこととなっている。