資産運用のために重要なのは、的確なアドバイスです。そこで活躍するのが、中立的な立場で相談ができるIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)です。IFAとは何なのか、IFAができること、活用するメリットについて解説します。
IFAとは
IFAは、「Independent Financial Advisor」の略で、「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」のことです。顧客の相談に応じて、独立した立場で金融商品の提案をします。
日本では2003年の証券取引法改正によって、証券会社に属さなくても、仲介して金融商品を顧客に提案することができるようになりました。この業務をするためには、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。登録された業者は、金融商品仲介業者と呼ばれます。
IFAによく似た仕事に、FP(ファイナンシャル・プランナー)があります。FPは顧客の目標達成を経済的側面から支援しますが、大きく分けて独立FPと企業内FPの2つがあります。企業内FPは保険会社や証券会社などに属し、自社の商品を売ることが多いようです。
そもそも独立FPとIFAは確固たる定義があるものではないので、人によっては同じものだと認識されます。イメージとしては、顧客に具体的な金融商品を提案するのがIFA、家計管理から相続まで幅広く取り扱うのがFPです。というのも、金融商品販売という文脈で、IFA=金融商品仲介業者と定義されることが多く、証券会社も代理店に近い意味でIFAを募集していることがあります。IFAといえば、金融商品仲介業者を指すことが一般的になっています。
IFAが手助けできること
IFAは金融商品の知識を深く幅広く持ち、販売元の事情にかかわらず、中立的な立場でアドバイスができます。
企業内FPの場合は、どうしても商品知識が自社商品に偏ってしまいます。それに、自社商品を販売しなくては仕事になりませんから、もし他社の商品でもっと顧客に有利なものがあったとしても、紹介することは少なくなってしまいます。
IFAは自社商品で利益を出せるわけではないので、顧客に信頼され、「利用してよかった」と思われることで収益をあげ、事業を継続していくことが可能になります。そのため、顧客に不利な商品を提案するインセンティブが低いといえるモデルなのです。
豊富な知識と顧客第一主義の考えを持っていることは、セカンドオピニオンとしても役に立ちます。結婚や住宅購入などのライフイベントの際、保険会社や不動産会社の担当者だけに相談をするのは不安だという人は、IFAを活用するメリットがあります。人生の大きな場面においても親身に相談にのってくれるでしょう。
IFAを活用する効果
IFAは金融商品仲介業による証券会社からの手数料が主な収益源となっていますが、少数派ながら年会費が必要な場合もあります。例えばある企業のサービスは、1家族につき年会費3万7,800円がかかります。この金額が高いか安いかは考え方次第ですが、少なくともIFA事業を継続することができているのは、それだけ顧客の支持がある証しです。
IFAには、さまざまなバックボーンを持った業者がいます。金融機関や税理士、不動産会社など、多方面へのネットワークを持ち、一貫したサービスを提供しているものも少なくありません。
資産運用は、人生を長期的な視点で、さまざまなリスクを考慮して計画的に行う必要があります。例えば教育資金はどの程度必要か、ある商品を積み立てていくと何年後にいくらになるのか、非常に魅力的に見える投資だが、どこか落とし穴はないのか、などの疑問を、顧客の立場で確かな知識と技術をもってアドバイスできるのが、IFAです。
資産運用はアドバイザーの力を借りて
IFAは、独立したお金のアドバイザーです。企業内FPにはない、幅広い商品知識と顧客第一主義を持っています。証券会社などの金融商品取引業者はもちろん、不動産や税理士などと提携したサービスの提供も可能です。
セカンドオピニオンとしても活用できる、気軽な相談相手といえるでしょう。