消費者の節約志向が高まり、小売業界では商品の値下げに踏み切る動きが出てきている。消費者マインドが冷え込めば、影響が避けられない外食産業だが、イタリアンワイン&カフェレストランを展開するサイゼリヤ <7581> は、このような状況下でも好調を維持し、業績予想を上方修正するまでの勢いを見せている。

予想上回る半期決算、通期予想も強気に見直し

サイゼリヤの2017年8月期第2四半期の連結決算によると、売上高は前年同期比0.3%減の705億4800万円と伸び悩んだ一方、営業利益は同44.2%増の46億3800万円、純利益は同59.9%増の31億5200万円とそれぞれ大幅な伸びとなった。

従来の業績予想を上回る実績により、通期の連結業績予想を上方修正し、売上高1472億円(前回予想1457億円)、営業利益110億円(同93億円)、純利益75億円(同57億円)にそれぞれ引き上げた。

節約志向が広まる中でもサイゼリヤは、その充実した低価格帯メニューで顧客の支持を集める。ランチメニューはハンバーグなどの肉料理、スパゲッティ、ドリアの3種類のメインから選択し、サラダとスープまで付いて500円(税込)とワイコインで本格的な味が楽しめるとして根強い人気だ。

低価格でも食品のクオリティは折り紙つき。生ハムは本場イタリア・パルマ地方でチーズを作る過程できるホエーを食べて育った細やかな肉質のパルマ豚を使用。熟成まで職人が1年かけて仕上げる最高級品にも関わらず、2枚入りで399円(税込)と破格の値段で提供する。そのこだわりは、生ハムだけにとどまらず、ワインやオリーブオイル、チーズにまで及ぶが、グラスワイン1杯100円(同)など低価格に抑えられ、顧客の満足度を高める。

客数、客単価も堅調に推移